株式会社日立製作所(以下、日立)は12月26日、近距離無線規格であるZigBee(IEEE 802.15.4)を利用した無線センサー製品「日立AirSense」を、2006年1月より販売開始すると発表した。
センサーノードのラインアップとしては、ポータブル型とリストバンド型が用意されており、前者は空調・照明コントロールや衛生管理、環境計測、ビルオートメーションなどの分野で、後者は健康管理の分野で、それぞれ利用が見込まれるという。
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ポータブル型のセンサーノード(前列)と、同ルータ(中列)、同ゲートウェイ(後列)
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リストバンド型のセンサーノード(前列)
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ポータブル型の構成イメージ。ルータを経由することで、電波状況などに応じて経路をダイナミックに変更できる
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リストバンド型を使うと、脈拍などをグラフ表示することも可能だ
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両センサーのうち、ポータブル型は温度・湿度と振動を検知できる端末。直接無線アクセスポイント(有線LANとのゲートウェイ)と通信する以外にも、中継機(ルータ)を用いて無線メッシュネットワークを形成することも可能で、到達エリアの拡大、無線の高信頼化を実現できる。また外部センサーを接続する各種インターフェイスも備えており、例えば人感センサーをつなぐことによって、セキュリティ用途での運用を行うなど、幅広い用途に活用可能という。
一方のリストバンド型は、身につけるだけで心拍数や脈拍、体の動きなどを関知する機能を備える。こちらは例えば、家族や医者が、高齢者などの状態把握に用いるような使い方が考えられるとのことで、緊急連絡用のボタンも装備された。
送信距離は両センサーとも約100m(見通し、中継なしの場合)ほどで、標準的な一戸建て住宅であれば、ほぼすべてをカバー可能。ポータブル型は約2年、リストバンド型は約2カ月の電池寿命を持つ。
日立では、今回はまず実証や小規模環境での利用を想定した提供だとしており、ポータブル型の場合はノード4台、ルータ2台、ゲートウェイ1台、モニタソフト一式を、またリストバンド型はノード2台、ゲートウェイ1台、充電セット1式、モニタソフト1式を、それぞれパッケージとして販売する。価格はともに90万円(税別)。
今後に関しては、ポータブル型におけるノードの小型化、低消費電力化、ミドルウェアの充実などを図るとともにスケーラビリティを拡張し、ビル全体をセンサーネット化するような大規模環境への対応が可能な製品を、2006年5月以降に製品化する予定。またリストバンド型では事業性の評価・検証を行っていくとしており、日立全体の無線センサービジネスを、2010年に600億円規模にしたい意向だ。
■ URL
株式会社日立製作所
http://www.hitachi.co.jp/
ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2005/12/1226a.html
( 石井 一志 )
2005/12/26 14:53
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