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フラクタリストNomadicNode事業部長・奥瀬俊哉執行役員
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株式会社フラクタリストは、VPN回線接続型SIP IP PBXサーバー「NomadicNode IP PBX」を、株式会社ブレインズと共同で製品化、2006年5月にも市場投入する。
同製品は、フラクタリストが2005年7月に発表したネット型機器連携プラットフォームである「NomadicNode」をベースとして開発した第1号製品といえるもので、SIPサーバー、VPNサーバー、NAT越え対応といった3つの機能をオールインワンで提供。ネットワークルーターの下に設置するだけで、事業所間のIP電話およびデータサービスの構築が可能になる。
「従来は、高額な設備投資が必要であったり、専任エンジニアによる煩雑なルーター設定などが必要だったが、既存のネットワーク設備を利用できること、また敷設が簡単なことなど、設備投資、人件費で10分の1程度のコスト削減効果を見込むことができる」(フラクタリストNomadicNode事業部長・奥瀬俊哉執行役員)としている。
まずは、3月をめどに、ブレインズがNomadicNode IP PBXのプロトタイプを出荷。通信キャリアなどとの検証を行ったのちに、5月にも正式版を出荷する。
NomadicNode IP PBXの価格はオープンプライスだが、市場想定価格は約20万円。初年度に1000台の出荷を見込んでいる。
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フラクタリストNomadicNode事業部開発部・佐藤大介統括マネージャ
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一方、フラクタリストでは、今後は、通信キャリアや通信機器ベンダーなどとの提携を強化していく考えで、NomadicNodeの普及を、さまざまな角度から行っていく姿勢を示している。
NomadicNodeは、インターネットを介したさまざまな機器の接続を実現することを目的に開発された技術で、クライアント端末の管理を行うサーバー側のNomadicNode Serverと、NomadicNodeネットワークの端末機に搭載されるミドルウェアのNomadicNode Moduleで構成される。
NomadicNode Moduleで接続された機器同士は、NomadicNodeが提供する独自アドレスで通信を行うことが可能であり、NATやファイアウォールを越えた接続を、セキュアな環境で実現することが可能になっている。
こうした各種機器の接続によって、既存のネツトワークカメラとNomadicNode Moduleを組み合わせることで、外出先からインターネットを介して自宅のカメラ映像を見たり、外出先からストレージデバイスの内容を参照したりといった使い方が可能。さらに、外出先から遠隔地のPCを制御することで、会社のデスクトップPCのデータを参照したり、顧客先のデスクトップPCのリモートメンテナンスなどへの応用、テレビ会議システムとしての利用なども可能となっている。
「企業のビシネスシーンでの活用や、SIerのソリューション提案のひとつとしても活用できるほかに、DNLAへの対応も可能で、デジタル家電との接続やホームコンピューティング分野での応用も可能となっている」(フラクタリストNomadicNode事業部開発部・佐藤大介統括マネージャ)としている。
ブレインズのVPN回線接続型SIP IP PBXサーバーは、その第1弾となり、フラクタリストでは、今後、開発キットを提供することで、こうした各種ソリューションの開発を、ベンダーやキャリアとの提携によって促進させる考えだ。
■ URL
株式会社フラクタリスト
http://www.fractalist.jp/
( 大河原 克行 )
2006/01/06 17:15
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