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AT&T GNS、リモート接続サービスのアクセスポイントを大幅強化

オプションとしてセキュリティサービスも追加

中国でのアクセスポイントを強化

代表取締役社長の湊方彦氏

ソリューション推進本部 ソリューション企画部長の山本篤志理事
 AT&Tグローバル・サービス株式会社(AT&T GNS)は4月18日、リモート接続サービスの最新版「グローバル・ネットワーク・クライアント V6.5」を4月19日より出荷開始すると発表した。また、オプションとしてセキュリティサービス「マネージド・パーソナル・ファイアウォール」を新たに追加し、2006年第2四半期より出荷開始することも発表した。

 代表取締役社長の湊方彦氏は新製品のコンセプトについて、「今回発表した2製品は、当社が一昨年から力を注いでいる“グローバル”と“セキュリティ”という2つのエリアにフォーカスしたものになる。すでに多くのユーザーに利用されているリモート接続サービスを、よりセキュアで使いやすいよう大幅に機能強化した」と説明した。

 グローバル・ネットワーク・クライアント V6.5の機能強化点は、「中国でのアクセスポイント拡充」、「日本国内のWi-Fiアクセスポイント追加」、「PKI認証対応」の大きく3つ。これによって、場所やアクセス方法を問わず、高いセキュリティを確保しながら、世界中どこからでも同じユーザーインターフェイスでリモートアクセスができるようになった。

 具体的には、中国でのアクセスポイントを従来の4都市から主要69都市に大幅拡充。すべてAT&T GNS自営のアクセスポイントのため、追加ローミング料金は発生せず、通常のダイヤルアップ料金のみで利用することができる。

 同社では、中国についてはリモートアクセス環境だけでなく、ネットワークソリューションの整備・改善にも力を注いでおり、「中国でも日本と同等レベルのネットワークサービスを提供できるよう、専任部隊を設置し、現地法人やパートナー企業と協力しながらソリューションの強化も進めている」(湊社長)という。

 国内のWi-Fiアクセスポイントとしては、日本テレコムの「BBモバイルポイント」全国約3000拠点を新たに追加。マクドナルド(全国2600店)やドトール、JR駅構内などでの利用が可能となった。利用にあたっては、日本テレコムとの契約は不要で、料金は従量課金制(36秒単位)を採用した。

 ソリューション推進本部 ソリューション企画部長の山本篤志理事は、「Wi-Fiの平均利用時間は、ヘビーユーザーでも月1時間を超えるケースはまれであるという調査結果がでている。少しの空いた時間でメールの送受信を行うなど、従量課金制をうまく活用することで生産性の高いリモートアクセスが可能となる。利用料金は拠点によって異なるが、10分で115円~150円くらいが目安」としている。

 PKI認証対応では、VPNへの接続時にパスワードを入力する代わりに、PKI電子証明書を使ってユーザー認証をすることが可能となった。電子証明書はPC本体内のほか、社員証やUSBキーなどに格納することができる。

 「グローバル・ネットワーク・クライアント V6.5」の価格はオープンで、利用プランによって料金体系は異なるが、想定価格は1ユーザーあたり月平均2000円~3000円とみている。


 オプションとして新たに追加されるマネージド・パーソナル・ファイアウォールは、社外からパソコンを企業ネットワークに接続する際に、エンドポイントPCに対して社内セキュリティポリシーの順守状況の確認が可能となるセキュリティサービス。

 OSのサービスパックの適用状況、ウイルス対策ソフトの稼働状況、更新ファイルの適用状況、アプリケーションの稼働状況、ファイルの有無やレジストリ情報の把握、さらにはアプリケーションごとのアクセスの許認可などの機能を備え、不適格PCからの社内ネットワークへのアクセスを防止する。また、オンラインでのレポート確認が可能で、クライアント管理が容易なのも特徴。

 なお、製品説明会では、マネージド・パーソナル・ファイアウォールを導入したリモートアクセス環境において、エンドポイントPCがWinnyを起動すると自動的にVPN接続が切断されるデモンストレーションが行われた。


マネージド・パーソナル・ファイアウォールの概要と特徴 Winnyを起動するとVPN接続が切断されるデモが行われた


URL
  AT&Tグローバル・サービス株式会社
  http://www.jp.att.com/
  プレスリリース
  http://www.jp.att.com/press/pr_041806.htm


( 唐沢 正和 )
2006/04/18 18:25

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