日本電気株式会社(以下、NEC)は5月8日、10Gbpsの処理能力を備えたTCPモニタリングエンジンを開発したと発表した。
今回、NECが開発したモニタリングエンジンでは、従来ソフトウェアで実現されていたTCPモニタリング処理に必要な全機能を、ハードウェアで実現した。最大10GbpsのTCPストリームをリアルタイムで監視することができ、同時100万セッションのTCP処理が可能なほか、処理負荷が高いショートパケット、順番入れ替えの発生したパケットに対しても高い性能を発揮できるという。
また、1秒あたり30万セッションの確立・切断を処理可能なことに加え、TCPレイヤに対する不正攻撃のリアルタイム検知、同一エンジン内でのUDPコネクション処理などにも対応する。
NECでは、これを利用すると、通信コンテンツに応じた高機能・高性能な通信処理など、多様なアプリケーションを実現するIT・ネットワーク機器の製品化が可能になるとしており、早期の製品化を目指して研究開発を強化するとのこと。
一方で、このエンジンでは、10Gbpsの広帯域通信回線でもコンテンツのリアルタイム分析が可能になったため、高速回線利用時における、ウイルス、ワームの迅速な発見に利用できるという。また、各種ハードウェアエンジンとプロセッサ技術を連携させてアプリケーションプロトコルの異常動作を確認することにより、ウイルスに感染したPC、サーバーからの異常なデータ送信、外部ネットワークからの攻撃を検知・防御できるとのこと。
NECでは、新たなアプリケーションプロトコルが出現したときも、それ向けにカスタマイズすることが可能としており、こうした技術を用いて、従来比10~20倍のデータ処理性能を持ったセキュリティ基盤を構築していく考え。この分野でも、早期の実用化を目指していく。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0605/0804.html
http://www.nec.co.jp/press/ja/0605/0805.html
( 石井 一志 )
2006/05/08 15:33
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