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エニーユーザー、PC用の携帯電話型無料インターネット電話サービス


PC画面上のfreep

代表取締役社長の宮町秀恒氏
 エニーユーザー株式会社は5月22日、050番号による着発信も可能な携帯電話型のPC用インターネット電話サービス「freep(フリープ)」を同日開始すると発表した。

 freepは、日本発の無料インターネット電話サービスであり、PC画面上で携帯電話の感覚で誰でも簡単に使えることをコンセプトに開発されたもの。開発したエニーユーザーは、これまでに法人向けIP電話サービス“Anytell”や、一般消費者向けに世界最小のIP電話であるUSBメモリ型“アイムフォン”を投入しており、とくにアイムフォンは、これのディズニーキャラクタバージョン“マイPCフォン”と併せてこれまでに10万台を出荷したという。

 今回のfreepのハイライトは「とにかく誰もが無料のインターネット電話を簡単に使えることが最大の売り」と、同社代表取締役社長の宮町秀恒氏はいう。そのコンセプトがfreepという名称に反映されており「自由な電話、そして無料の電話」という意味に同社の思いが込められている。もう一つfreepの特長として050番号を使える点がある。これはオプションであるが、050を取得すれば固定電話や携帯電話からの着信や着信履歴からコールバックも可能であり、一般電話との双方向通信が行えるようにもなっている。

 freepを利用するには、まずfreepカードを入手後、freep公式サイト「http://www.freep.ne.jp/」にアクセスする。あとはスタートページでパスワードを入力し、freepソフトウェアをダウンロード。そしてアイコンをダブルクリックしてfreepをインストールし、freepを起動してfreep番号とログインパスワードを入力するだけでいい。PC画面上に現れたfreep端末を通常の携帯電話とまったく同じ感覚で操作すれば電話をかけられる。freepカードにはそのユーザーだけのfreep番号、ログインパスワード、そして共通のスタートページURLとスタートページパスワードが記載されている。なお050番号取得には、別途スタートページから申し込むことになる。提供の形態は、1)カード単体、2)カード+イヤフォン(スターターキット)、3)販売パッケージ(フルセット)の3つ。


発表会にはパートナー企業も出席
 freepは会員制の形態で利用するが、宮町社長は「freepがどんなにすばらしく簡単なソリューションでも、普及することが不可欠。そのために今回、最初から数百万というユーザーを抱えるパートナーの方たちとの事業提携で臨む」と意気込みを示した。これらパートナーはまずニッセンをはじめアマゾン・ジャパン、イーバンク銀行、ローソン、石丸電気、ノジマ、エイチ・アイ・エス、トーハンの8社で、今期末までに100万人という会員獲得をめざしている。freep利用希望者は、たとえばこれらパートナーの商品を定められた条件下で購入すれば、freepカードをプレゼントの形で入手できるという。またローソンではフルセットのパッケージ(CD、イヤフォンマイク、freepカード)を500円という格安で販売する。通話料金はfreep同士は無料で、一般固定電話へは全国一律3分8.3円、携帯電話へは1分18.27円となっている。今後はこのたびの会員獲得パートナーに加えてハードウェアパートナー、ソフトウェアパートナーなども含めて1年間に40社にまで拡大することを目標としている。

 一方で、freepはむしろ企業ニーズをターゲットとしたところもある。エニーユーザーでは、すでに企業ユース向けにAnytellを擁しているが、これは別途アダプタが必要なサービスである。その点freepはそのようなこともなく企業内ユーザーに向けたニーズはかなり期待できそうという。近々Anytellとの通話を無料とすることも検討しているようで、外出先ではAnytellで、社内ではfreepでといった利用形態もできそうだ。

 宮町社長は、Skypeがこれまでにワールドワイドで1億ダウンロードと圧倒的な人気を示している、と評価しながらも「あれは設定の難しさなどでかなりPCスキルのあるユーザーでないと使いづらい。その点freepはそれこそ小学生でも使えるほど簡単」とあくまでそのシンプルな設定や操作感覚を強調、静かな対抗意識を燃やしているようだ。



URL
  エニーユーザー株式会社
  http://www.anyuser.co.jp/

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( 真実井 宣崇 )
2006/05/22 17:17

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