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S2410
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Force10 Networksのコーポレートマーケティング担当副社長、ステファン・ギャリソン氏
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フォーステンネットワークス株式会社(以下、フォーステン)は5月24日、1Uサイズに10Gigabit Ethernet(GbE)×24を備えた高密度レイヤ2スイッチ「S2410」と、10GbEにも対応可能な超高速IPS/IDSアプライアンス「P10」を発表した。
米Force10 Networksのコーポレートマーケティング担当副社長、ステファン・ギャリソン氏によれば、現在の企業や団体においては、コスト削減のためデータセンターを統合しようという動きが主流であるという。その流れの中では、高機能を保ちながら、よりポート密度を向上させることが要求されてきており、フォーステンでも「日本市場に参入して以来、これを重視している」とした。
こうした状況を受けてフォーステンが発売するスイッチは、1Uフォームファクタに対して24基の10GbEを格納する高密度型の製品。また、HPCやビジネスアプリケーションなどを利用する上での、より低い遅延に対するニーズに応えるべく、性能を向上させている点も特徴だ。「同じフォームファクタの競合と比べてポート密度は3倍。また一般的に5マイクロ(1マイクロは100万分の1)秒程度とされる遅延を、300ナノ(1ナノは10億分の1)秒に抑えた」(ギャリソン氏)という。300ナノ秒の遅延は、InfiniBandとほぼ同等の低さ。管理性に優れたEthernet製品で、この遅延を実現した点に価値があるという。
この低遅延は、主に2つの技術で実現された。1つは、シングルASICによって処理を行っていること。「大型のコアスイッチではラインカードごとに複数のASICが利用されるが、ASIC間を信号が通るたびに遅延が発生してしまう。これを廃することで、レイテンシを低くできた」(ギャリソン氏)。またもう1つは、ヘッダだけを見てパケットのフォワーディングを行うカットスルースイッチングの技術だ。これらは、レイヤ3レベルの処理が必要なコア製品には応用できないものの、レイヤ2レベルの処理で済むインターコネクトのスイッチであるため、活用することができたとのことである。
S2410のラインアップには、10GBASE-CX4×20、XFP×4を備えた「S2410C」と、XFP×24の「S2410P」が用意された。価格は220万円から、260万円から。7月より出荷を開始する。
一方のP10は、10GbEでもワイヤレートの処理を可能にするLinuxベースのIPS/IDS製品。これまでスイッチ製品をほぼ専業で提供してきたフォーステンが、セキュリティ製品を提供する背景には、高速ネットワークを提供していく上で、「既存セキュリティ製品では速度的に対応できない」(ギャリソン氏)問題が生じてしまったためという。
このためにForce10 Networksは、高速でセキュリティ検査を行う技術を持っていたMetaNetworksを買収し、その技術をベースにしてP10を開発した。この製品では、「ダイナミック・パラレル・インスペクション」というシグネチャ処理アーキテクチャを採用し、パケット中の数千のルールを同時に処理可能な性能を持つため、非常に高速な処理が可能になっている。
セキュリティ機能としてはオープンソースのIPS/IDSソフト「Snort」を利用する。インターフェイスは10GbE×2(検知用)を備えており、インライン、パッシブの両方式に対応した。ギャリソン氏はSnortを採用した理由について、「フォーステンが強い研究・学術用ネットワークの顧客は、Snortをよくご存じ」と説明している。
フォーステンではP10について、2006年夏の国内リリースを予定しているが、価格は未定とのこと。ワールドワイドでの販売目標は、数百万ドル程度の今期売り上げとやや控えめだ。「セキュリティでは当社は新参だが、高速ネットワークを構築してきた実績から、セキュリティ分野に新たな知見を提供できるのではないか。顧客のニーズを学習することにより、2・3年後にはもっと大きな市場をつかめると思っている」(ギャリソン氏)。なお同社ではP10の下位製品として、GbE対応の「P1」も提供する予定だ。
■ URL
フォーステンネットワークス株式会社
http://www.force10networks.co.jp/
ニュースリリース
http://www.force10networks.co.jp/news/pr-2006-05-24_1.html
http://www.force10networks.co.jp/news/pr-2006-05-24_2.html
( 石井 一志 )
2006/05/24 16:54
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