日本電気株式会社は5月29日、ストリーミングメディアの通信品質向上に適した通信制御方式を開発したと発表した。6月7日から開催される「Interop Tokyo 2006」で動態展示される。
今回発表されたのは、ストリーミングをTCPで行う場合に、安定したコンテンツ再生を可能にするストリーミング用TCP技術。ストリーミングにはリアルタイム配信に優れたUDPを用いた通信が一般的だが、ファイアウォールやブロードバンドルーターなど外部からの攻撃を防ぐ装置によりUDPが使えないこともあり、この場合TCPをストリーミングで利用することになる。しかし、TCPの場合、ネットワークの混雑時には他のトラフィックの影響を大きく受けるため、映像が頻繁に停止するという問題がある。
新たに開発されたのは、1)受信バッファを枯渇させないために必要な通信速度を算出し、動的に通信速度の調整を行うことで、ストリーミングに必要な通信速度を平均的に維持する通信速度制御を行う機能、2)輻輳(ふくそう)によるパケット紛失の状態を判断し、輻輳が一時的な場合には通信速度を維持しながら再送処理を行う制御、の2つ。これにより、従来のTCPに比べ同一通信路上に10倍の数の通信が共存する状況でも、安定したストリーミングが可能。今回開発された通信制御方式は、ストリーミングサーバーへの実装や通信方式を同方式に変換するTCP中継器をサーバー付近に設置することで容易に実現できるとしている。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0605/2902.html
( 福浦 一広 )
2006/05/29 16:47
|