日本電気株式会社(以下、NEC)は6月2日、ルータ1000台を超えるような大規模ネットワークにおいて、通信品質の劣化個所を高速に推定できるネットワーク監視手法を開発したと発表した。
従来の、ネットワーク機器自体の稼働状況や、機器から入出力されるパケット量を監視する手法では、アプリケーションレベルの品質劣化の原因となる部分の特定は、非常に困難だったという。しかしNECでは、実際にネットワークを通過する通信品質や、アプリケーションと類似した疑似通信の品質を監視することで、実アプリケーションの品質に基づいた検知を実現したとのこと。
また大規模ネットワークでは、監視対象となる通信の数、品質劣化原因となるリンク数が数多くあるため、劣化の原因を推定するための情報収集や計算が膨大になるという問題があった。そこで今回は、ネットワークを分割した部分的な推定と、部分も腕の推定結果の一部を使った、全体的な推定を組みあわせる階層化方式で、計算時間を1/2~1/20に短縮したという。
これによって、大規模ネットワークでのVoIP音声品質劣化やストリーミング品質劣化の原因個所の推定が可能となったため、ISPやキャリアなどの大規模ネットワークの安定運用を実現するとともに、運用管理コストの削減を行えるとのこと。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0606/0201.html
( 石井 一志 )
2006/06/02 17:31
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