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アライドテレシス、CATVトリプルプレイサービス向けソリューションを提供


ネットワークの構築例

アライドテレシスネットワークス アプリケーション開発部 トリプルプレイ推進部 部長の加藤勝次氏

今回のソリューションで利用する機器
 アライドテレシス株式会社とアライドテレシスネットワークス株式会社は6月7日、幕張メッセで開催中のInterop Tokyo 2006において、山梨県のCATV会社である上野原ブロードバンドコミュニケーションズに、CATVトリプルプレイサービスのトータルソリューションを提供すると発表した。

 このソリューションは1芯3波長多重FTTHサービスを実現するもので、1芯の光ファイバーケーブルで地上波TVなどの映像と高速通信サービスの同居を可能とする。

 アライドテレシスホールディングス CTO応用技術担当の真野浩氏は「Interopも13回目だが、この場で家庭でのTVがテーマになるのは初めてで、今回はその元年といえるだろう。ブロードバンドは普及しているとはいうものの、エンドユーザーからみればキーボードやダブルクリックなどの操作は難しく、必ずしもメジャーとはいえない。このたびのソリューションは、地上波TVを家庭まで送ったりインターネットあるいはVoIPも可能にしたりするもので、まさに通信と放送が本格的に融合したといっていい」と、その意義を強調する。

 ソリューションの基本技術は、具体的には、アライドテレシスが開発提供するGigabit Ethernet(GE)PON方式による1芯3波長多重に基づくものだ。センターにおける映像系および通信系の情報を、このGE-PONで融合させて家庭に届ける。たとえば、映像系では地上波TVをヘッドエンドで受けて光送信機に送り変調する。その後光スイッチを経て光スプリッタで分岐、減衰した信号を光増幅器で増幅する。そこに、WDM装置により、通信系からの上り下り2波長を多重し、3波長として1芯で家庭に送るというものだ。家庭では、屋内・屋外向けのONUでこれを受け映像と通信系にもどす。

 アライドテレシスネットワークス アプリケーション開発部 トリプルプレイ推進部 部長の加藤勝次氏は「このたびは、個別のネットワーク製品としてではなく、ソリューションとして納入させていただくもの。センターから各家庭までは32分岐以内であるが、技術的には64分岐まで可能で、その距離は20キロメートル。しかもIEEE 802.3ah(EFM)という標準に準拠させたGE-PONを用いる」とそのキーテクノロジを説明する。なお管理は、映像系や通信系すべてをSNMPで行う。主な納入機器は、GE-PONとして「CentreCOM LX2000シリーズ」、光スイッチとして「CentreCOM LX2100シリーズ」、屋内・屋外ONUなど。


 上野原ブロードバンドコミュニケーションズ 取締役の中村康次氏は「サービス開始に踏み切ったのは、2005年12月1日に有線テレビジョン放送法施行規則の一部を改正する省令が施行され、CATVでも1芯3波長多重によるトリプルプレイサービス提供が可能になったこと。GE-PONはじめ光ネットワーク機器を含めて信頼性が高く、コストメリットを得られることも大きい」という。またアライドテレシスのソリューションを導入したのは「この分野のIPスペシャリストだから」とした。

 このたびのCATVトリプルプレイによる提供サービスは、山梨県上野原市の約6500世帯向け。第1期、第2期サービス提供地域として地上デジタル放送等再送信による放送サービスをはじめIP電話、ブロードバンドインターネット接続地サービスなどが提供される。実際のサービスは7月の完成後にアライドテレシスが関連システムを納入した後になるもよう。なおアライドテレシスグループでは、この市場で今後3年間に加入世帯数20万を目指している。



URL
  アライドテレシス株式会社
  http://www.allied-telesis.co.jp/
  アライドテレシスネットワークス株式会社
  http://www.at-networks.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.allied-telesis.co.jp/info/news/2006/nr060607.html


( 真実井 宣崇 )
2006/06/07 17:30

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