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執行役員の都筑一雄氏
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UNIVERGE OneMillionソリューションの概要
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日本電気株式会社(以下、NEC)は7月3日、50~200人規模の企業を対象にしたIT・ネットワーク統合ソリューション「UNIVERGE OneMillionソリューション」(以下、OMS)を販売開始すると発表した。基本ソリューションがSI費用を含めて200万円以下で実現できる低価格と、最短1週間程度で導入可能な短納期が特徴。7月末より提供を開始する。
NECはこれまで、ネットワークとITを融合させた「UNIVERGE」ソリューションによって、企業の生産性などを向上させる支援をしてきた。しかし、「大企業を中心としたビジネス展開で、必ずしも中堅・中小向けビジネスに対しては情報発信をしていなかったという反省がある」(執行役員の都筑一雄氏)という。
そこで今回、中小企業向けの市場に対する取り組み強化の一環として、OMSを発表した。同社がこの市場を狙うのは、成長が狙える市場だからだ。IDCの調査・予測によれば、大企業(従業員1000名以上)のIT投資が2005年からの5年で約2%しか伸びないのに対し、それ以下の中堅・中小企業の伸びは約28%と推計されているとのこと。NECでは、営業力強化、コミュニケーションの向上/情報共有、セキュリティといった中小企業でのニーズを踏まえて、OMSを提供していく意向である。
OMSの最大の特徴は、「OMS/基本セット」を中心にビルドアップ方式でソリューションを積み上げられること。今回は6つのオプションセットを用意したほか、今後は四半期ごとにソリューションを追加していく予定で、「UNIVERGEではIP電話を中心に提供してきたが、高度なスキルが必要、積み上げるとコストが高くなる、などの欠点があった。今回はその面を反省した」(都筑氏)というように、それぞれが、初期投資を抑えつつ、容易に導入できるように工夫されている。
中心となるOMS/基本セットは、SIP対応テレフォニーサーバー「SV7000SS」を中心に、マルチレイヤスイッチと、ソフトフォン(50ライセンス)、IP電話機用ライセンス(5ライセンス、ハードウェア別途)から構成される。これだけでも、ソフトフォンを活用したIP電話環境を構築することはできるが、それはあくまでベースに過ぎず、「中小企業の現場力強化を支援すること」(UNIVERGEソリューション推進本部 本部長の八田孝氏)が最終的な目的。
そのために、無線LAN環境を構築して、構内VoIP内線を利用できるようにする「OMS/モバイル」や、2つのWeb会議ソリューション、リモートアクセスソリューション、検疫ソリューション、ASP方式で提供するグループウェアなどのオプションセットを用意し、必要や成長に応じて、随時ブロードバンドオフィスの機能を拡張できるようにした。
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OMS/基本セットの概要
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OMS/基本セットで利用するハードウェア
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OMS/モバイルで利用するハードウェア
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価格は、OMS/基本セットが100万円(税別)で、ほかのオプションセットも、基本構成要素を100万円(同)以下で提供する。ただし、たとえば基本セットにおけるIP電話機などの端末費用などは含まれていないため、別途必要になる。またSI費用も別途必要になるが、「大企業と異なり中堅・中小企業では類型化が必要。ある程度のSI作業でできるようにパターン化で安くしたい」(都筑氏)としており、標準的なSI作業の場合で数十万円~100万円以下に抑えられる見込み。
なお中堅・中小企業市場ではパートナー経由の営業活動が重要になることから、NECでは販売店支援も積極的に行う。UNIVERGEソリューション推進本部内に、販売店向けの支援部隊を100名規模で設け、営業・技術支援、SI要員の育成支援などを手がけていく予定だ。あわせて今後は、自社製品だけでなく、UNIVERGEのアプリケーションパートナー(ISVなど)が持つ製品をOMSの関連ソリューションとして認定し、品ぞろえを拡充していく予定もあるとのこと。
NECでは現在1200億円程度というUNIVERGEの売り上げのうち、1~2割をOMS関連で占めたいとしており、3年間で300億円の売り上げを見込む。
■ URL
日本電気株式会社
http://www.nec.co.jp/
プレスリリース
http://www.nec.co.jp/press/ja/0607/0303.html
( 石井 一志 )
2006/07/03 14:40
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