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NEC、NGN時代に対応したUNIVERGEネットワークSI体系を確立


UNIVERGEネットワークSI体系

執行役員の都筑一雄氏
 日本電気株式会社(NEC)は9月4日、企業向け通信網構築体系「UNIVERGEネットワークSI体系」を確立したと発表した。構築手法のガイドラインや基本構成の部品類、自動設計やシミュレーションなどのツール類から構成される「デザインアーキテクチャ」と、SIのプロセスを標準化した「SIマネージメント標準」の2つを提供する。

 「今後の企業ネットワークシステムには、高度な機能を有するNGN(次世代ネットワーク)への対応を見据えた、いわばNGN Readyを前提とする必要に迫られている。今後は、単に機器を組み合わせて提供するだけでなく、一歩先を行く視点を持ったSIが求められており、今回の体系化は、それを実践するものになる」(NEC執行役員の都筑一雄氏)と位置づける。

 安心、安全、快適、便利、グローバルといった5つの観点から、SI体制、ツール、ノウハウ蓄積などの面で強化を図る。これにより、ネットワークの稼働率を現状の99.99%から、99.9999%にまで信頼性を向上させるほか、入場ゲートなどの設備とネットワーク、情報機器、コンテンツなどを連動したシステムをセキュアな環境での提供、有線と無線の連携により、RFIDを活用したさまざまなサービスの提供の実現や、日本、アジア/オセアニア(オーストラリア)、北米、欧州、南米(ブラジル)といった世界を結んだグローバル規模でのサポート体制を提供することが可能になるという。

 「社内には、草の根的にツールが存在していたが、これが体系化されておらず、事業を推進する上でも障害となっていた。今回の体系化でこうした問題が解決できる」(都筑執行役員)という。

 体系化することで、これらのツールなどをグループ会社を含めて活用できるようになり、約3割の効率化が実現できると見込んでいる。


デザインアーキテクチャ
 デザインアーキテクチャでは、先進システムの構築手法を体系化したガイドラインや、基本構成要素の部品化、設計のテンプレート化などのほか、設計情報をデータベース化し、各種設計帳票や設定条件の自動生成などを行うSIツールや無線LAN置局設計シミュレータなどの各種ツール類を用意した。

 ネットワークインフラ、ネットワークサービス、ネットワークソリューションの3つのレイヤーに分類。インフラ部分では、基本構成やコンフィグデータ、あるいは組み合わせとサイジングのパラメータ化などを通じてモデル化とモジュール化を進めるほか、ネットワークサービスでは、設計・構築テンプレートの提供など、ネットワークソリューションでは、設計・構築のガイドライン、ドキュメントサンプル、構築ノウハウデータベースの構築などが含まれている。

 「例えば、無線LANは、どこにアクセスポイントをおけばいいかといったノウハウがあり、しかもオフィスの状況によって大きく変化する。当社には、フロアの各種パラメータを入力し、電波強度を事前にシミュレーションできる電波可視化シミュレータなどのツールがあり、現地測定前の見積精度の向上や、システム設計品質の向上、置局設計期間の短縮などといった点でメリットが提供できる。実際に、1000台規模のFOMAとUNIVERGEを連携させたソリューションを1.5カ月で構築した実績もある。こうしたネットワークに関する課題を解決することで、さまざまなネットワークサービスを提供できるようになる」(NEC UNIVERGEシステム本部長・福井昭氏)。


SIマネージメント標準

事業目標
 また、SIマネージメント標準では、提案、計画、設計、試験、出荷、プロジェクトマネジメントなどのSIの各工程におけるベストプラクティスを体系化。SEによる成果物のレベルを均一化したり、不良設計箇所の早期発見などが可能になるほか、ネットワークSIの手順を標準化するとともに、手順が問題なく進ちょくしているかどうかといったことを随時検証することで高い品質を維持できるという。

 国内7000人をはじめ、全世界で1万人規模のSI、保守体制を構築。バックヤードの技術サポート部隊に関しても、従来の製品寄りのサポートから、SI型のサポート対応が可能な体制へと移行させる姿勢も示した。

 「NECでは、数多くの大型案件、先進案件を稼働した実績があり、そのノウハウを蓄積している。また、SEがこれを利用できる仕組みを構築しており、多様な案件への対応や、高品質、短期間、低コストでの提供が可能になる。とくに、品質面での均質化は大きなメリット」(NEC UNIVERGEシステム本部長・福井昭氏)とした。

 NECでは、現在3500億円規模の企業向けネットワークソリューション事業の売上高を、同体系を推進力とすることで、2008年度には5000億円に拡大させる考え。

 「現在、企業向けネットワークソリューション事業におけるノンハードの売り上げ比率は約30%、そのうちSIは12%だが、これを2008年度には、ノンハードで約40%、SIで20%にまで拡大させる」(都筑執行役員)としている。



URL
  日本電気株式会社
  http://www.nec.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.nec.co.jp/press/ja/0609/0401.html


( 大河原 克行 )
2006/09/04 12:35

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