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冗長化機能が強化された「Nortel Ethernet Routing Switch 8600」
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エンタープライズマーケティング プロダクトマネージャーの沼田真哉氏
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ノーテルネットワークス株式会社(以下、ノーテル)は9月6日、レイヤ2/3スイッチ「Nortel Ethernet Routing Switch(以下、ERS)シリーズ」に搭載されている冗長化機能を大幅に強化すると発表した。
ネットワークを冗長化させる技術としては古くからスパニングツリープロトコルが利用されてきたが、この技術では「ブロッキングポートが発生するため使用しないポートが発生する、ネットワークの拡張は容易だがトラブル時に復旧までの時間がかかる、といった問題があった」(エンタープライズマーケティング プロダクトマネージャーの沼田真哉氏)。そこで各ベンダは独自技術を投入し、この問題を解決しようとしてきた。
ノーテルでも冗長化技術をいくつか用意しており、例えばレイヤ2レベルの「SMLT(Split MultiLink Trunking)」や、ルーティングプロトコルに依存しないレイヤ3レベルの「R-SMLT(Routed SMLT)」が提供されている。今回の拡張ではそれらのうち、「ERS 8600シリーズ」におけるSMLTやR-SMLTを高速化し、これまで1秒弱かかっていたフェイルオーバーを0.4秒程度でできるようにした。さらに「SuperMezzカード」オプションを利用すれば、最短0.1秒以内まで高速化可能だ。
ノーテルでは、RSTP(ラピッドスパニングツリープロトコル)を利用すると、リンクダウン時で1.7秒、コアスイッチダウン時ではルートブリッジ変更のために3.2秒かかるのに対し、SMLT利用時はいずれも0.4秒で可能というデータを提示。「互いのスイッチの手足に何がつながっているかを常に把握しているため、高速な復旧が可能」(沼田氏)と説明している。この高速性はレイヤ3のルーティングプロトコル利用時にはさらに顕著で、OSPFのみを利用する環境においてルータがダウンすると、ルーティングテーブルの再計算が必要なため、15.6秒復旧にかかったのに対して、R-SMLTを併用するとやはり0.4秒で復旧したというデータを示している。
また今回は、SMLTの対応機種も拡大させ、これまでサポートしていたERS 1600/8600の両シリーズに加えて、中規模向けスイッチ「ERS 5500シリーズ」もSMLTに対応している。これによって、中・大規模企業のコアスイッチやフロアスイッチとして同製品を利用する際に、音楽や動画を扱う上でも、さらに安定した環境が提供できるとのこと。
なお、エンタープライズマーケティング ディレクターの本間隆光氏は、冗長化を考える際に、復旧時間以外にもコストが重要だと主張。「これまでの冗長機能はアクティブ-スタンバイであり、せっかく投資をしても問題が起きない限りスタンバイ側は利用しない。しかし当社の技術ではアクティブ-アクティブの運用が可能。スピードと費用対効果を同時に実現できるのはSMLTだけだ」とアピールしている。
■ URL
ノーテルネットワークス株式会社
http://nortel.com/jp
ニュースリリース
http://www2.nortel.com/go/news_detail.jsp?cat_id=-8055&oid=100205348&locale=ja-JP
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( 石井 一志 )
2006/09/06 15:43
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