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リバーベッド、WAN最適化製品を拡充-“処理能力9倍”のハイエンドモデルなど

管理性やパフォーマンスを向上させた新OSも提供

Steelheadアプライアンス

米Riverbed Technologyのプロダクトマネジメント担当ディレクター、ロブ・キロス氏
 リバーベッドテクノロジー株式会社(リバーベッド)は9月14日、WAN高速化アプライアンス「Steelheadシリーズ」のラインアップを強化すると発表した。アプライアンスのハイエンド製品を拡張するなど新筐体5製品をリリースするほか、クラスタ用の新アプライアンスを発売。あわせて、これらのアプライアンスで利用するOSの新版「Riverbed Optimization System(RiOS) 3.0」をリリースした。

 Steelheadアプライアンスは、WANを介して本社と遠隔地にある支店などを結んでいる環境において、通信を高速化することができる製品。TCPトランザクションの最適化とデータ単位で差分のみをキャッシュする独自技術などを採用しており、国内WAN回線の高速化はもちろんのこと、回線の帯域・安定性が十分でない国際WAN接続においても効果を発揮するという。

 今回発売される新筐体は、既存製品を置き換えるミッドレンジ向けの「Steelhead 1520/3020/3520」と、処理性能が拡張されたハイエンド向け「Steelhead 5520/6020」の、計5製品。最上位のSteelhead 6020では、OC-3×2に相当する310Mbps(ディスクベースの処理を無効にした場合は最大800Mbps)のWAN最適化容量を備えており、これは「従来のハイエンド機の9倍まで拡張された」(米Riverbed Technologyのプロダクトマネジメント担当ディレクター、ロブ・キロス氏)という。最適化可能なTCP接続は8000ユーザー分に相当する40000接続で、1.4TBのデータキャッシュを搭載している。

 またSteelhead向けのロードバランサーとして初めて提供される「Interceptor 9200」は、「大規模なSteelheadのデプロイを、よりシンプルに、より高可用性を持たせた形で、より簡単にできる製品」(キロス氏)。Web Cache Communications Protocol(WCCP)やポリシーベースルーティング(PBR)を用いなくとも、Steelheadのクラスタ化を容易に実現できるという。サポート可能な容量は、クラスタ当たり4Gbpsのスループット、100万TCP接続。

 一方、RiOS 3.0での強化ではまず、NFSの転送効率がこれまでの最大5倍から最大55倍に向上した。これは、送信データのキャッシュ化/差分送信/圧縮送信(ストリームライニング)の最適化によって実現されたもの。従来トランスポート層で行われていたストリームライニングをアプリケーション層でも行うようにし、先読みやメタデータのプリフェッチ、ローカルの非同期書き込みに対応させることで高速化を達成したとのことである。

 またCIFSも従来の最大2倍から最大14倍に高速化されたほか、QoS機能の強化により、UDPを用いるアプリケーションを含め、あらゆるタイプのトラフィックを制御できるようにしている。あわせて、クライアント側での非対称ルーティングサポート、情報表示/レポート機能の強化をはじめとする管理性強化なども行われた。

 価格は、Steelhead 6020が2380万円(税別)、Interceptor 9200が990万円(同)など。RiOS 3.0は、サポート契約を結んでいるユーザーに無償で提供される。



URL
  リバーベッドテクノロジー株式会社
  http://www.riverbed.com/jp/

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  ・ 「最大200倍高速化」リバーベッドのWAN高速化アプライアンスが国内販売(2006/01/27)


( 石井 一志 )
2006/09/14 16:57

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