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ジュニパーのデータセンターソリューションにおける各製品の位置付け
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WXC590
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ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は10月17日、次世代を標ぼうしたデータセンターソリューションを発表した。今回発表されたのは、WANアプリケーションアクセラレーションプラットフォーム「WXC590」をはじめ、データセンターアクセラレーション・プラットフォーム「DX3280」「DX3680」、ルータ「M120」の計4製品。
1999年ごろのデータセンターブーム時にその建設ラッシュが話題を呼んだが、ここへきて新たなニーズでその流れが再燃。第2次データセンターブームといわれる中で、ジュニパーではこれに応えるべく、パワーアップした関連ソリューション投入に至ったという。
WXC590プラットフォームは、WXOSおよびCMS(Central Management System) v5.4のソフトで動作し、データ圧縮技術とアクセラレーション技術により、回線遅延など、これまでの技術では乗り越えられなかった課題をクリアするためのソリューションとして提供される。HDDを搭載しており、より大容量ファイルの伝送に耐えることもできる。
大きな特徴の1つとして、2~45Mbps帯域への対応があげられるが、この数字は80~90%の圧縮率により圧縮された後の帯域であり、実際のネットワークスループットは5~10倍にもなるという。また最大6台までのスタック構成が可能で、最大回線帯域は155Mbps、すなわちOC-3回線までの最適化が可能となる。スタックの場合、エンドポイントではGigabit以上に対応しうるというわけだ。
ジュニパーのアジアパシフィック担当プロダクトマネージャー、乙部幸一朗氏は「ジュニパー製品では、仮に100Mbps回線の環境で45Mbps仕様の製品を使用していても、45Mbps以上がやってきたら伝送できないというのではない。これはあくまで圧縮させて最適化されうる伝送レート。この辺は他社にはあまりみられない強み」という。またWXC590では、たとえば圧縮率が70%を切ったらアラート表示が出るようにすることも可能。製品は140サイトまで接続可能で、電源やHDDは二重化されている。
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DX3680
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ジュニパーのアジアパシフィック担当プロダクトマネージャー、乙部幸一朗氏
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またDX3280/3680は、従来機であるDX3250/3650の後継機で、米Juniperが2005年に買収したRedline Networksの製品ラインを受け継ぐもの。DXOSの新版v5.2で動作する。新たにSSLのアクセラレーションを行うハードウェアチップを強化し、SSLトラフィック高速化およびオフロードを行える点が特徴。これまでサーバーで行っていたSSL処理をオフロードしてサーバーの負荷を軽減し、トータルパフォーマンスを向上させられるようになっている。
一般にこの種の製品は、ロードバランシング機能の提供が主目的であったが、DX3280/3680ではセキュリティ機能を備えている点も強みで、たとえばワームなどの侵入をシャットアウトしてくれる機能を持つ。なお、ActiveN機能によりDXシリーズを最大64台までサポートでき、スケーラビリティを望むユーザーにはよりメリットが得られるようにしているという。DX3680はDX3250の2倍にあたる、4GBメモリ/512MBフラッシュメモリを持ち、対衝撃性に富む。DX3280はDX3250の3倍のというSSLパフォーマンスを備え、2GBメモリ/512MBフラッシュメモリを備える。
そしてM120は7月に発表されている製品を、新たにデータセンター向けコアに位置付けて展開するもの。約4分の1ラックサイズのコンパクト型120Gbps級ルータで、Ethernetサービスカードなど多くのインターフェイスを備え、QoSを含めた柔軟なサービス優先制御や、MPLS/VPLSに対応し、レイヤ2/3サービスを提供する。アップリンク用に10Gigabit EthernetまたはOC-192を2ポート持ち、物理インターフェイスカード(PIC)を16枚搭載できる。Gigabit Ethernetであれば最大128ポートを収容可能だ。ジュニパーでは、全世界で2万5000台を超えるMシリーズ導入実績にみられる安定性に、絶対の自信を持っている。
乙部氏は「新しいデータセンターのニーズには、Web上でのアプリケーション使用の増大や、サーバー集約とデータセンターの統合、増大する脅威や悪意ある攻撃からの保護、リモートでのデータバックアップと複製の管理性、可視性ほかがある。既存データセンターにおけるリプレースや新設データセンター、より安全性・高速性を求めてのアウトソース化などが盛り上がりを見せている」と述べ、第2次データセンターブームに向けた需要に確かな手ごたえを感じているようである。
■ URL
ジュニパーネットワークス株式会社
http://www.juniper.co.jp/
ニュースリリース
http://www.juniper.co.jp/company/presscenter/pr/2006/pr-061017.html
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( 真実井 宣崇 )
2006/10/17 18:19
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