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ヤマハ、遠隔会議システムのラインアップ強化-“AV機器メーカー視点”で差別化図る


 ヤマハ株式会社は10月18日、遠隔会議関連の4製品を発表した。今回発表されたのは、テレビ会議システム「PJP-300V」とコーデックボックス「PJP-VC1」、IP電話会議システム「PJP-50R」、音声会議用多地点接続システム「NetMixer」の各製品。11月中旬より順次販売を開始する。


テレビの上に見える横長の装置がPJP-300V、下にある小さなボックスがPJP-VC1 PJP-50R NetMixer

サウンドネットワーク事業部 通信機器開発部、刑部勝一副部長
 これらのうちPJP-300Vは、小型CMOSカメラ3個、スピーカー14個、マイク16個を一体化したテレビ会議システム。PJP-VC1を接続することによって、IPネットワークを介したテレビ会議システムを導入することができる。

 特徴は、「映像と音声の一致するシステム」を目指した各機能で、特に「話者位置検出機能」では、16個のマイクから話者の方向を検知して、話者の映像を瞬時に映し出すことが可能。サウンドネットワーク事業部 通信機器開発部、刑部勝一副部長は「機械式のカメラでは、動きが遅いために話者が話し終わってからカメラが移動するわずらわしさがあった。この製品では、3個のアレイカメラと位置検出機能でスムーズな映像切り替えが可能だ」とアピールした。

 本体内のマイクでは約7mの範囲までカバーする。また、回り込み音を検知・除去してハウリングなどを防ぐエコーキャンセラー、遠い人、声の小さい人の声も確実にとらえるオートゲイン機能なども搭載している。

 価格は、PJP-300Vが36万7500円、PJP-VC1が26万2500円。組み合わせての利用のほか、PJP-300Vは単体でPCと接続し、Web会議システムの外付けマイク・スピーカーなどとして利用することも可能という。

 一方PJP-50Rは、単体でIPネットワーク経由のIP電話会議を可能にする製品。またLINEポート経由でのアナログ電話網経由での会議や、Web会議システムにおけるPC、テレビ会議専用機の外付けマイク・スピーカーとして利用することも可能だ。スピーカー4個、マイク16個を搭載し、収音は半径5mの範囲をサポート。また特定の方向の音声を収音したり、話者の方向を自動で検知・追尾させたりすることもでき、エコーキャンセラーも備える。価格は16万8000円。

 最後のNetMixierは、PJP-50Rや従来製品の「PJP-100H」を最大48拠点同時接続できる音声会議システム。多地点通話時でもクリアな音声を実現できるほか、Webページから簡単に端末や会議開催を管理する機能を備えているという。製品は、新発売のネットワークエンジン「NME-48」と既存のミキサーを組み合わせて構成され、ミキサーはデジタルミキシングエンジン「DME24N」を利用する。価格は、NME-48が210万円、DME24Nがオープン。


執行役員 サウンドネットワーク事業部長の田丸卓也氏
 執行役員 サウンドネットワーク事業部長の田丸卓也氏は、「テレコンファレンスも、“つながる”フェーズから“きちんと伝わる”フェーズへ変化しており、その中で当社は、アレイマイク・スピーカーやエコーキャンセラなどのコア技術をうまく組み合わせて価値を実現する」と話す。同社では、「さらなる音と映像の価値を訴求し、技術開発を進めながら商品の強化を図り、この分野で成長したい」(田丸氏)と、AV機器メーカーとして培ってきたノウハウを生かしていきたい考えを示している。



URL
  ヤマハ株式会社
  http://www.yamaha.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.yamaha.co.jp/news/2006/06101801.html
  http://www.yamaha.co.jp/news/2006/06101802.html
  http://www.yamaha.co.jp/news/2006/06101803.html

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( 石井 一志 )
2006/10/18 15:39

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