古河電工、NGNを視野に入れたマルチサービスルータ3製品

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古河電工、NGNを視野に入れたマルチサービスルータ3製品

FXシリーズの最上位となる「FX-7200」

　古河電気工業株式会社（以下、古河電工）は2月6日、NGN（次世代ネットワーク）ニーズに向けたマルチサービスルータ「FXシリーズ」3機種を発表した。古河ネットワークソリューション株式会社が製造し、販売は古河電工が行う。

　同社はこれまでに、企業向けルータとして「FITELnet-F40/F80/F100/F1000」を、通信事業者/大企業向けルータとして「FITELnet-F3000/G21/G30」などを投入してきた。今回発表のFXシリーズは、後者の通信事業者向けを引き継ぐもので、メトロエッジルータ「FITELnet-Gシリーズ」のMPLS（Multiprotocol Label Switching）技術や、セキュリティネットワーク対応ルータである「FITELnet-Fシリーズ」、特にF3000におけるIPsec技術など、既存製品のプラットフォームを踏襲かつ統合させている。

　この新シリーズにより、次世代IPネットワークであるNGNにおけるマルチサービスへの移行をめざす通信事業者の課題、すなわちルーティング容量の増強やインターフェイス種類の拡充、冗長性、可用性などを支援できる。

　同社によると、専用セキュリティプロセッサによる暗号化により、10GbEでもIPsecのスループットをダウンさせない点は、特に開発上のキーポイントだったという。加えて、2台以上のルータを仮想ルータとし、1台が停止しても残りの1台が動き続けて、ルータ自体の冗長化を行えるVRRP（Virtual Router Redundancy Protocol）をサポートしている点も特徴。さらに、VRRP冗長時にIPsecの制御情報を機器間で共有することで、機器停止時でもIPsec接続の継続性を向上させうる「IPsec-HA」への対応も、FXシリーズの大きな強みとしている。

情報通信カンパニー社会システム営業部ファイテルネット・ソリューショングループ担当課長の宮坂行真氏

　またラインアップの中でも最上位にあたる「FX7200」は、ATMインターフェイスに対応している。一見レガシーに思えるATMであるが、これについて古河電工情報通信カンパニー社会システム営業部ファイテルネット・ソリューショングループ担当課長の宮坂行真氏は、「今でもATMをサポートしている通信事業者は少なくない。かといって、今後増えていくものでもないが、ATMを捨ててNGNにさっさと移行してしまうことは、通信事業者の方たちの使命感としては考えにくい。この点で、ATMインターフェイスを準備しておくことは、これまでのネットワークからNGNへのスムーズな移行を助長することにもなる」という。

　3Uサイズのエントリーモデル「FX5000」は、CPU1スロット、Ethernet回線用3スロットを備え、Gigabit Ethernet（GbE）では最大48ポート、10GbEでは最大6ポートを搭載できる。また6Uサイズの中位モデル「FX7000」は、CPU2スロット、Ethernet回線用6スロットを持ち、GbEでは最大80ポート、10GbEでは最大10ポートを搭載可能。11UサイズのFX7200は、CPU2スロット、Ethernet回線用4スロット、ATM回線用12スロットを備える。インターフェイスは、GbEでは最大64ポート、10GbEでは最大8ポート、ATM（OC-3）では最大48ポートを搭載できる。

　NGN対応製品は昨年来、国内外各社から相次いで発表されているが、この時期に発表した背景について宮坂氏は「NGNはいま、方向性を示したステップにあり、その仕様などは必ずしも明確とはいえないのではないか。そのような中、当社はFXシリーズでうたっているように、MPLSやIPsecの統合などで、まずは日本市場の動向をみていきたい」と慎重に対応する姿勢を示した。

　価格は、FX5000が2540万円（税別）から、FX7000が2840万円（同）から、FX7200が4980万円（同）から。まずFX7200を7月に発売し、FX5000を9月に、FX7000を10月に発売する。古河電工では、FXシリーズ全体で初年度に約10億円の売り上げを見込んでいる。

■ ＵＲＬ
　古河電気工業株式会社
　 http://www.furukawa.co.jp/
　ニュースリリース
　 http://www.furukawa.co.jp/what/2007/jotsu_070206.htm

（真実井宣崇）
2007/02/06 17:50

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