ファーウェイスリーコムジャパン株式会社(以下、H3Cジャパン)は2月14日、スイッチ、ルータの新製品群を発表した。同社が今回発売するのは、IPv6対応のレイヤ3スイッチ「S3610シリーズ」「S5500-SIシリーズ」、同ルータ「MSRシリーズ」の各製品。
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S3610シリーズのうち、S3610-52P
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S5500-SIシリーズのうち、S5500-52C-PWR-SI
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MSRシリーズのうち、MSR 50-60
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陳宇耀代表取締役
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技術本部 副本部長の塩谷徹氏
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香港に本社を置くHuawei-3Com(以下、H3C)は、中国Huawei Technologiesと米3Comの合弁企業として2003年に設立されたネットワークベンダで、その後2006年11月には、米3comの完全子会社になった。現在、アジア太平洋地域では、米Cisco、米Juniperに次ぐシェア第3位を占めているといわれ、中国では30%以上ものシェアを持つが、国内ではあまり知名度がなく、展開が遅れている状況だ。
そうした中でH3Cジャパンでは、2006年8月に大阪支社を開設したほか、同年11月に新ブランド「H3C」での国内展開を開始するなどして、国内での活動を強化していた。今回の新製品リリースも、その流れにそったもの。これらの新製品によって、トータルにネットワーク製品を提供できるベンダとして、国内での認知度を上げていきたい意向がある。
H3Cジャパンの陳宇耀代表取締役は、「4900名の社員のうち2700名が開発関係で、日本向けの部隊も用意している。リアルタイムに顧客のニーズを取り入れる柔軟性は、米国のベンダに勝っている」と同社の特徴をアピール。同社の技術本部 副本部長、塩谷徹氏も、「多くのベンダでは、独自市場向けの機能は製品に入れられても、独自の製品として提供することは難しいだろう」と述べ、フットワークの軽さを強調した。なお同社では、小型レイヤ2スイッチ「S3100-EIシリーズ」「S5100-EI/SIシリーズ」を2007年第1四半期に発売する予定とのことだが、これらは日本市場からの要望によって製品化された代表的なものだという。
「今回は、当社がどれくらい本気で日本市場へ取り組んでいるかを理解して貰いたい。(製品は)十分な性能を持っており、あとは、日本のニーズにあった機能をどれだけ入れられるかが鍵だ。それさえできれば、必ずシェアは取れる」(塩谷氏)。
新製品のうちS3610シリーズは、IPv4/v6のデュアルスタックに対応したレイヤ3スイッチ。24基ないし48基の100BASE-TX/10BASE-Tポートを備えた銅線モデルと、4基ないし48基の100BASE-FX(SFP)スロットを備えた光ファイバー向けモデルが用意されている。さらにいずれの製品も、アップリンク向けのGbE(SFP)スロットを4基搭載した。
S5500-SIシリーズは、IPv4/v6のハードウェア処理が可能なレイヤ3スイッチ。24基ないし48基の1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポートと、10GbE向けの2基の拡張スロットを搭載している。10GbEは光ファイバーに加えて1000BASE-CX4にも対応可能だ。また1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tポートのうち4ポート分はGigabit Ethernet(SFP)とのコンボポートになっている。
MSRシリーズは、IPv6をフルサポート可能なシャーシ型マルチサービスルータ。競合ベンダのサービスルータからの置き換えを狙った製品で、十分な性能を持ちながら、コスト面でも優位性があるという。処理能力や増設可能なカードの違いで8シリーズがラインアップされており、最上位の「MSR50-60」では600kppsの処理性能を持つ。また今後は、セキュリティ機能を付加するLinuxベースのモジュラーカードも提供が予定されているとのこと。
■ URL
ファーウェイスリーコムジャパン株式会社
http://jp1.huawei-3com.com/jp/
( 石井 一志 )
2007/02/14 16:50
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