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ジュニパー、リアルタイムポリシー管理に対応するサービスデリバリ製品新版


Cシリーズアプライアンス2製品と、4つのSRCソフトウェアモジュールが提供される
 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は3月20日、サービスポリシー管理製品群「Session and Resource Control(SRC)」に新ラインアップを追加すると発表した。サービスディプロイメントシステム「SDX-300」を構成する新ソフトウェア「SRCモジュール」と、コントローラアプライアンス「Cシリーズ」を新たに提供する。出荷は4月中旬に開始される予定。

 現在のキャリア、サービスプロバイダでは、単なるインターネットインフラの提供だけでなく、新たな収益源としてビデオ、音声、ゲームなどのマルチサービスをユーザーに提供するようになっている。そうした中では、個々のユーザーに対してそれぞれ異なったレベルのサービスを届ける必要性が生じているが、そのためには、ネットワーク自体がサービス内容をきちんと識別し、臨機応変にポリシーを変更していく必要が生まれている。

 そうしたニーズに対応するためのサービスポリシー管理の製品として、ジュニパーではいち早く1999年に「SDX」を発表。すでに100以上のネットワークでの稼働実績と、数百万の加入者に対してリアルタイムでサービスを提供している状況だ。この市場は、現在でこそワールドワイドで80億円程度しかないものの、2010年までの平均成長率は84.3%で推移すると分析されており、2010年には現在の10倍もの市場規模に達する見込みという。同社では今回、こうした市場の広がりを見据えて、同分野の製品を強化した。


マーケティング部 ソリューションマーケティングマネージャの佐宗大介氏
 ベースハードウェアとなるCシリーズアプライアンスは、SRCモジュールのために最適化されたハードウェア。これまで同社ではSPARC版SolarisとSun製サーバーの組み合わせを対象にSRC製品をソフトウェアで提供してきたが、この構成では高価なハードウェアや別途LDAPサーバーを必要とするなど、導入のハードルが高かったという。今回同社では、専用のハードウェアを用意することで、この問題を解決したほか、「パフォーマンスの大幅な向上、シンプルな運用管理といったメリットをあわせて提供できる」(マーケティング部 ソリューションマーケティングマネージャの佐宗大介氏)としている。ラインアップには、サブスクライバをバンドルできる数に応じて2製品が用意される。

 一方SRCモジュールでは、ネットワークリソースの監視とアサインを担当する「Policyエンジン」、認証系の「AAAエンジン」に加えて、ネットワーク上のIMS(IP Multimedia Subsystem)アプリケーションをエンドトゥエンドで管理する「Diameterゲートウェイ」、SOAPを通じてサードパーティ製を含むさまざまなアプリケーションと連携するための「SOAPゲートウェイ」が提供される。

 またあわせて、ルータでのサービス/アプリケーション・パフォーマンスの向上、スケーラビリティの向上を図る新モジュールも発売される。このマルチサービスPICは、M/Tシリーズに対応。ASICベースでは難しかったファイアウォールやNAT、VPN、Rate limitなどの性能向上を実現するという。さらに、SRCモジュールで定義されたポリシーの実行も可能にするとのこと。

 「動的でリアルタイムなポリシー管理は、非常に重要な役割を果たすようになる。すでに実績のある当社のサービスポリシー管理製品は、サービスプロバイダのビジネスにおいて不可欠な存在になるだろう。ネットワークがサービス内容を認識して、リアルタイムに機能するインテリジェントなネットワークが実現する」(佐宗氏)。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://www.juniper.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.juniper.co.jp/company/presscenter/pr/2007/pr-070320.html


( 石井 一志 )
2007/03/20 15:56

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