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ブルーコート、WAN最適化の恩恵をモバイル・在宅ユーザーに提供する「SG Client」


米Blue Coatの製品マーケティング担当副社長、マーク・エリオット氏
 ブルーコートシステムズ株式会社(以下、ブルーコート)は4月9日、WAN最適化機能を搭載するクライアントソフト「Blue Coat SG Client」を発表した。在宅勤務者や小規模事業所、モバイルユーザーを主な対象とする。参考価格は、250ライセンス購入時で、1ユーザーあたり1万円前後(税別)から。

 企業では現在、管理コスト削減やセキュリティ強化を目的に、保有するデータをデータセンターへ統合させるアプローチを検討することが多くなってきている。そうしたニーズに対応するためブルーコートでは昨年、プロキシアプライアンス「Proxy SGシリーズ」にWAN最適化機能「MACH 5」を追加。本社と支店・事業所との間の通信を高速化させるソリューションを提供してきた。しかし、Proxy SGシリーズが設置されていない、設置できないオフィス外のユーザーについては対象外となっており、データセンター統合を行う際に、こうしたユーザーをいかにサポートしていくかが鍵となっている。

 SG Clientは、こうしたニーズに対応するために製品化されたもの。これまで同社が提供してきたWAN最適化は、2つ以上のProxy SGシリーズ間での通信に限られていたが、SG Clientを利用すると、同ソフトをインストールしたPCとProxy SGシリーズ間の通信も最適化できるようになる。「データ統合環境の中で、ユーザーを統合されたデータへより近づける製品。競合他社に先駆けて、これまで“取り残されていた”モバイルユーザーに対しても高速化を提供できる」(米Blue Coatの製品マーケティング担当副社長、マーク・エリオット氏)。

 ソフト本体はProxy SGシリーズなどから配布可能で、クライアントレスを実現できる。またポリシーも自動的に配布され、管理者が定義した通りに動作するので、ユーザーは特に意識することなく高速化の恩恵を受けられる。具体的な機能としては、GZIPによる圧縮とCIFS最適化を利用するほか、ローカルキャッシュに保存されたオブジェクトを再利用するオブジェクトキャッシング技術も搭載された。また、グラフ・表形式での高速化統計情報の表示も可能で、ユーザー自ら、どの程度効果があったかを確認できるようにしている。

 ブルーコートではSG Clientをプラットフォームとして位置付けており、今回のWAN最適化機能の提供を端緒として、さまざまな機能を拡張していく予定。通信のさらなる高速化を行う一方で、パフォーマンスモニタリング機能の強化、SSL-VPN技術の統合による暗号化とセキュリティ強化などを予定する。なお高速化については、トラフィックを短いトーンに置き換えてWANの高速化を図るバイトキャッシング機能の追加、HTTPSの高速化、CIFS最適化機能の強化などが盛り込まれる。

 SG Clientの対応OSはWindows XP。Windows Vistaについては4週間以内に対応する。



URL
  ブルーコートシステムズ株式会社
  http://www.bluecoat.co.jp/

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  ・ ブルーコート、WAN最適化やセキュリティ機能を提供するクライアントソフト(2006/12/01)


( 石井 一志 )
2007/04/09 13:04

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