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富士通、UTM機能搭載のロードバランサー「IPCOM EXシリーズ」新モデル


IPCOM EXシリーズ

EX INシリーズでは、従来8Uサイズ必要だった機器を1台で代替できるという
 富士通株式会社は4月11日、ネットワークアプライアンス「IPCOM EXシリーズ」のセキュリティ対策を強化すると発表した。同シリーズのラインアップに、UTM(統合脅威管理)機能を搭載したロードバランサー「EX INシリーズ」と、ネットワーク最適化機能を備えた「EX NWシリーズ」を追加。既存のファイアウォール「EX SCシリーズ」、ロードバランサー「EX LBシリーズ」とあわせて体系化し、顧客のニーズに合わせて最適な製品を提供できる体制を整えたとしている。

 IPCOM EXシリーズは、システムに合わせて搭載機能を組み合わせ可能なネットワークアプライアンス。昨今の企業ネットワークでは、脅威の多様化に対応するため、複数の機能を単一の製品で提供する統合化の流れが加速している。また社内に乱立していたサーバーを集約する流れも加速しており、こうした面からも効率的な脅威対策が可能な統合製品が求められていた。今回富士通ではこうしたニーズに応えるべく、UTM機能を搭載した製品を新たにラインアップしたという。

 新シリーズであるEX INシリーズは、IPCOM EXシリーズの最上位に位置する製品。EX SCシリーズがサポートしているファイアウォール、EX LBシリーズで提供しているサーバーのロードバランシングといった機能に加えて、QoS・リンク負荷分散によるネットワーク最適化機能、ウイルス対策やIPS(不正侵入防御)、Webコンテンツフィルタリングなどを統合したUTM機能を1台に集約した。ウイルス対策のエンジンにはエフセキュア製のものを採用する。

 ネットワークサービス事業本部 システムフロント事業部の郷原雅夫事業部長は、「ロードバランサーにセキュリティ機能を加えたことで、サーバーが集約されるポイントでの一括した対策が可能になり、コストメリットが生まれる」と話す。また、「多数の製品を組み合わせて、同様の機能を実現する場合は、SIerが整合性を確認しなくてはならないが、現実として実現は難しいのではないか」と述べ、富士通が一括して提供することで、安定性の確保が可能になる点も大きなメリットだとした。


ネットワークサービス事業本部 システムフロント事業部の郷原雅夫事業部長
 またIPCOM EXシリーズでは、必要最小限の機能からスタートできるスモールスタートが可能な点も特徴。EX SCシリーズではUTM機能とネットワーク最適化機能を、EX NWシリーズではUTM機能を、導入後に付加できるほか、EX INシリーズなどの上位シリーズへアップグレードすることも可能だ。郷原事業部長は、「サーバー1台でファイアウォールとして導入しても、必要に応じてウイルス対策機能を追加したり、サーバーが増強された際にロードバランシング機能を追加することが可能で、新たな装置を追加することなく、手軽に機能を拡張できる。しかも、ほとんどの場合は無停止で拡張可能だ」と説明している。

 ラインアップは、EX INシリーズには1モデル、EX NWシリーズでは既存製品と同様、処理性能に応じた3モデルを用意した。価格はEX INシリーズが420万円(税別)から、EX NWシリーズが65万円(同)から。いずれも4月中旬より出荷を開始する。既存製品のEX SCシリーズは58万円(同)から、EX LBシリーズは210万円(同)から。

 なお富士通では、シリーズ全体で2年間に1万5000台の販売を見込んでおり、大企業には主に直販部隊から、中小企業には主にパートナー企業からアプローチする考え。特に対象業種は限定しないが、セキュリティに対して関心の高い官公庁、物流といった業種に対しては注力していくとのこと。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  プレスリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/04/11.html


( 石井 一志 )
2007/04/11 14:24

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