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富士通、ネットワークを中心とした「Network as a Service」を提唱

第一弾としてマルチキャリアネットワークサービス「FENICS II」を発表

経営執行役常務の石田一雄氏

Network as a Serviceを実現するプラットフォーム
 富士通株式会社は5月16日、マルチキャリアネットワークサービス「FENICS」を大幅に強化した「FENICS II」を6月上旬より順次提供すると発表した。

 今回発表されたFENICS IIは、同社が新たに提唱する「Network as a Service」のネットワークサービスとして発表された。「Network as a Service」は、ネットワークにつながるすべての利用者が、いつでも・どこでも・容易に・必要なだけ・好きな方法でサービスを利用できるという環境を実現するもの。同社経営執行役常務の石田一雄氏は、「IT利用は急速な勢いで加速し、そして多様化している。こうした変化に対応するために、ネットワークサービスとサービスプラットフォームを融合させた“Network as a Service”という考えを提唱した」と説明。「第一弾としてネットワークサービスのFENICS IIを本日発表した。また、サービスプラットフォームとしてSaaSプラットフォームも近日中に発表する」と述べた。

 FENICS(Fujitsu ENhanced Information and Communication Services)は、同社が提供する企業向けのネットワークサービスの総称。通信キャリアから回線を借り、同社で付加価値をつけてワンストップで提供している。

 今回提供されるFENICS IIは、従来から提供しているネットワークサービスに加えて、インターネット、NGN(次世代ネットワーク)をワンストップで提供するマルチキャリア、マルチメディアネットワークサービス。これらのネットワークを利用して、ユビキタス端末からの利用を強化している。


FENICSのサービス範囲 FENICS IIのサービス範囲。利用者視点を強化している FENICS IIで提供されるサービス

経営執行役 ネットワークサービス事業本部長の川妻庸男氏
 同社経営執行役 ネットワークサービス事業本部長の川妻庸男氏は、「1985年のサービス開始以来、5万社以上のユーザーにFENICSを提供してきた。しかし、さまざまな技術は進歩したものの、利用者の視点でみた場合、必ずしも便利になっていないのではないかと考え、FENICS IIを発表した」と紹介。「FENICSでは、事業所間をつなぐだけのサービスであったが、FENICS IIでは、さまざまな端末との接続までをサポートする」と、ユビキタス環境に対応したネットワークサービスに発展させると述べた。

 具体的なサービスとして、6月末の提供を予定しているパーソナルアクセスソリューションを紹介。同ソリューションは、指紋認証機能を搭載した「パーソナルアクセスキー」と、FENICS網を管理するFENICSセンターとを組み合わせることで、インターネットを介して企業内ネットワークに安全にアクセスできるもの。指紋認証だけでなく、利用するPCを事前に登録することで強固な認証を実現できるのが特長だ。

 また、国内外の通信キャリアと連携し、世界170カ国で「FENICSグローバルVPNサービス」を6月上旬より提供する。Webビデオ会議システムの「JoinMeeting」と組み合わせることで、海外拠点との遠隔会議や文書の共有などの利用が可能。

 そのほか、コアネットワークをNGNアーキテクチャで仮想化することで、ユーザーのネットワークニーズに迅速に対応する体制を構築する。「これまでは物理ネットワークの再構成していたので、6カ月程度の時間が必要だった。今後は、1.5カ月程度での対応が可能になる」(川妻氏)と、多様化するニーズへの対応力も強化されている点をアピールした。



URL
  富士通株式会社
  http://jp.fujitsu.com/
  ニュースリリース
  http://pr.fujitsu.com/jp/news/2007/05/16-1.html


( 福浦 一広 )
2007/05/16 14:50

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