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フォーステン、モジュラー型OSを搭載する企業向けコアスイッチ「C300」


C300

米Force10 Networksのマーケティング担当副社長、ステファン・ギャリソン氏

フォーステンの代表取締役社長、木鎌三千雄氏
 フォーステン・ネットワークス株式会社(以下、フォーステン)は6月27日、シャーシ型レイヤ2/3スイッチ「Cシリーズ」を発表した。今回はその第1弾として「C300」を製品化し、同日より出荷開始する。参考価格は、最小構成時で490万円から。

 C300は、ラインカードを8スロット分搭載できる企業向けのコアスイッチ。ワイヤレートのGigabit Ethernet(GbE)ポートを最大384基、もしくはワイヤレートの10GbEポートを最大32基搭載でき、同一価格帯の競合製品と比べて約2倍、1.5Tbpsのスイッチング容量を備える。

 特徴は、「キャリア向け事業で培ってきた、ハードウェアの信頼性、ソフトウェアの安定性といった部分が優れていること」(米Force10 Networksのマーケティング担当副社長、ステファン・ギャリソン氏)という。具体的には、ハードウェアは冗長化されており、ホットスワップにも対応するため、万一の故障時にもネットワークを止めずに対応が可能だ。また、シャーシ自体に光部品や半導体を使用しない「パッシブ・カッパー・バックプレーン」の採用により、信頼性を向上させている。

 一方でソフトウェアの安定性という部分は、上位製品「Eシリーズ」と共通するモジュラー型OS「FTOS(Force10 Operating System)」が担う。ギャリソン氏は、「モジュラー型OSは現在、Juniper Networks(JUNOS)やCisco(IOS-XR)などのコアルータに採用されているが、そのCiscoでもスイッチにはまだ採用していない。当社のFTOSのように、スイッチに採用している例はまれだ」と、その先進性を強調。さらに、「今後はFTOSをSシリーズにも拡張する」と述べ、統一したソフトウェアアーキテクチャを展開する予定であることを説明した。

 ラインカードは、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×48、10GbE(XFP)×4の各モジュールと、PoE(Power over Ethernet)対応1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×48のモジュールを用意した。さらに、ギャリソン氏は「各スロットは192Gbpsのスケーラビリティを持っており、キャパシティは半分しか使っていない。当社では、かなり密度の高いカードも用意している」と述べ、今後はさらなる高密度のラインカードを提供する姿勢を示した。

 なおこの製品は、キャリア/xSP向けの大型スイッチ「Eシリーズ」と、スタッカブルの小型スイッチ「Sシリーズ」の間に位置付けられ、両製品間に存在したギャップを埋める役割を担うとともに、企業向け市場に本格的に取り組む第一歩になるという。フォーステンの代表取締役社長、木鎌三千雄氏は「現在は、一般の企業においてもネットワークの需要に対しての高い期待が生まれている。そこで今回は、過去の経験を踏まえて実証済みの高信頼性を持ち、高密度かつリーズナブルな価格のC300を企業向けとして出した。近未来の要求までも踏まえ、市場の要求にきっちりと適応できる自信を持ってリリースする」と、新しい市場を開拓していく意気込みを述べている。



URL
  フォーステン・ネットワークス株式会社
  http://www.force10networks.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.force10networks.co.jp/news/pr-2007-06-27.html


( 石井 一志 )
2007/06/27 15:37

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