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モバイル環境でもLAN並みの速度を実現するWDAソフト「Steelhead Mobile」

同時ライセンスモデルで低コスト化

米Riverbed Technology、APAC/Japan担当 シニアマーケティングディレクターのポール・セラーノ氏

アプリケーションのパフォーマンス改善例。グラフ中の数値の単位は「倍」
 リバーベッドテクノロジー株式会社(以下、リバーベッド)は9月4日、外出先からモバイルを利用してもLAN並みのアプリケーションパフォーマンスを実現するWDS(Widearea Data Service)製品「Steelhead Mobile」を発表した。受注は8月23日から開始している。

 Steelhead Mobileは、モバイルからのデータトランスポートを高速化するソフト製品。同社では、拠点間に対向設置することでデータのやり取りを高速化するアプライアンス製品を提供しているが、今回のSteelhead Mobileはモバイル版。同アプライアンスを利用しつつ、新たにクライアントPCに専用ソフトを導入することで、外出先からのノートPCを利用したリモートアクセス時においてもデータトランスポートの高速化を実現できる。

 効果としては帯域幅、レイテンシ、アプリケーションプロトコルの非効率さといった問題を解消。Windowsのファイル共有で最大95倍の高速化、メール添付ファイルの送受信で最大54倍の高速化、Webアプリケーションのパフォーマンスで最大63倍の高速化を実現し、帯域幅としては97~99%削減されたことが確認されているという。

 米Riverbed Technology、APAC/Japan担当 シニアマーケティングディレクターのポール・セラーノ氏は特に、「スタッフが外出する機会の多い企業、在宅勤務を推進する企業、小規模オフィス、または災害復旧チームや警察、消防署など移動することが仕事の人たちにも有効」とし、これらが新規に狙う市場だと説明した。

 同製品のコンポーネントは、クライアントPCにインストールする「Steelhead Mobileソフトウェア(以下、SMソフト)」、ポリシー管理などを行う「Steelhead Mobile Controller(以下、SMC)」、中央拠点に設置して高速化を実現する「Steelheadアプライアンス」の3種。アプライアンスは以前より提供してきたソリューションと同様のもの。「新しい技術ではなく、すでに実績のある既存技術を新プラットフォームに実装したものなので、信頼性は実証済み。ワールドワイドではすでに2500社の導入実績があり、2007年第2四半期にはWDAで47%の市場シェアを獲得している」(セラーノ氏)とのことだ。


Steelhead Mobileコンポーネント
 実際に利用する際の流れとしては、まず中央拠点にアプライアンスとSMCを導入。クライアントPCにSMソフトをインストールする。クライアントPCからの初回接続時に、SMソフトがSMCからポリシーなどを自動取得して、アプライアンスとの間で高速なデータ転送を開始する。ポリシーの取得が自動で行えるため、ユーザーにかかる負担は小さい。クライアント用GUIさえ表示しない「不可視モード」という動作方法も用意されているため、同製品を導入しているということをユーザーに一切意識させずに運用することも可能だ。もちろん、GUIを表示してパフォーマンス情報などをユーザーに提供したい場合は、「可視モード」に切り替えることもできる。

 ポリシーの自動配信で導入を簡素化するだけでなく、各ユーザー情報のレポーティングや、最大2000ユーザーのライセンス管理もこのSMCで行う。ライセンスをあらかじめユーザーごとに配布しておくのではなく、「プール方式」を採用してSMC側で常時管理しておくのだ。クライアントPCでは、接続のタイミングで、ポリシーなどと一緒にプールされたライセンスの1つを受け取る仕組みとなる。このライセンスの考え方も、Steelhead Mobileの大きな特徴といえる。

 これにより次のようなメリットが生まれる。モバイルからのリモートアクセスという利用形態を想定すると、当然、すべてのユーザーが同時にアクセスするという状況は考えにくい。「それならば、利用ユーザー分きっちりライセンスを購入してもらう必要はないと考え、同時に何人が利用するかを重要視する同時ライセンスモデルを採用している」(セラーノ氏)のだ。実際の見積もりの際には、「モバイルワーカー3人から5人につき1ライセンスで計算する」(同氏)とのこと。一般的に他社製品では、ユーザーごとのライセンス提供となっているため、それと比べて大きく導入コストを削減できるというわけだ。

 希望標準価格は、SMCコンポーネントに30アクセス数分のライセンスを含んで258万円。追加ライセンスは10アクセス数分で69万円から。このほか、Steelheadアプライアンスを購入する必要がある。


システム構成図 広範な互換性 SCMのレポーティング画面

リバーベッド、代表取締役社長の遠井雅和氏
 発表会では、リバーベッドの代表取締役社長、遠井雅和氏も登壇。日本でのミッションとして、販売パートナー支援、ソリューションパートナーとの協業強化、ハイタッチ営業の推進の3点を挙げた。同社は、2005年12月創立と歴史としてはまだ短い。こうした活動を通して、国内での地盤を早急に固める意向だ。具体的には、「販売パートナー向けプログラムやホワイトペーパーなどの支援ツールを潤沢に用意し、サーバー・ストレージ統合や災害対策という市場のニーズに応えるため、ソリューション・テクノロジパートナーとの協業を進める。エンドユーザーに向けては導入事例などの参考資料をそろえ、対する声を確実に製品開発などにフィードバックしていく」(同氏)とのこと。



URL
  リバーベッドテクノロジー株式会社
  http://www.riverbed.com/jp/


( 川島 弘之 )
2007/09/04 16:19

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