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ジュニパー、イーサネットサービスルータのラインアップを拡充

小型筐体やQoS強化型モジュラーカードなどを追加

MX480

サービスプロバイダマーケティング マネージャーの佐宗大介氏
 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は9月26日、イーサネットルーティングプラットフォーム「MXシリーズ」の新ラインアップを発表した。小型のルーティング筐体「MX240」「MX480」と、「DensePort Concentrator(DPC)」モジュール2機種6モデルを10月より順次提供開始する。

 MXシリーズは、イーサネットサービスの提供に特化した通信事業者向けルータ製品。Ethernet自体はもともとLAN向けの技術であり、信頼性や拡張性についてはそれほど高いものを持っていたわけではない。しかしサービスプロバイダマーケティング マネージャーの佐宗大介氏によれば、現在の通信事業者においては、信頼性、拡張性、エコロジーという3つの要素が求められるようになっているという。

 そこでジュニパーでは、T/Mシリーズの両コアルータで培った信頼性や、E/SRCシリーズなどのエッジ製品に盛り込んだQoSのノウハウを入れ込み、MXシリーズを完成させた。これまで同シリーズのシャーシでは、16Uサイズの「MX960」のみが提供されていたが、今回は新たに、同製品の1/2、1/4の性能を持つ小型の2製品を追加している。その1つMX480は、8Uサイズの筐体にDPC用スロット×6を備え、スループット性能は最大480Gbps。またMX240は5Uサイズの筐体にDPC用スロット×3を備え、最大240Gbpsのスループット性能を発揮できる。

 いずれも、小型の筐体に多数のEthernetポートを収容できるほか、エネルギー効率にも優れている点が特徴で、電力・スペース・冷却にかかるコストを約60%削減可能。またMX240/480とも、既存プラットフォームの15倍以上にあたる、100万を超える数のMACアドレスをサポートでき、通信事業者におけるサービス導入時のボトルネックを解消できるとのこと。佐宗氏はMXシリーズと競合製品とを比較し、「Ethernetの収容数がまったく違い、ラックスペース削減が実現できる」と述べたほか、その理由について「機能の優位性だけでなく、環境や通信事業者の使い勝手に配慮して開発を進めてきたから」とコメントした。


GbE×40のDPCモジュール
 一方DPCモジュールでは、既存製品「DPC-R」に加えて、廉価版の「DPC-X」が用意された。DPC-RではL3ルーティング機能とL2スイッチング機能の双方をサポートしており、幅広い用途に利用できたが、DPC-Xではメトロイーサネットのトランスポート向け、アグリゲーション用のユーザー収容向けに機能を絞り込み、レイヤ2/2.5への対応とすることで、コストを抑えた。DPC-Rの約70%の価格で発売されるという。製品はDPC-Rと同様、Gigabit Ethernet(GbE)×40、10GbE×4、の2モデルを提供する。

 あわせてDPCモジュールにおいては、QoS機能を強化した「DPC-EQ」もラインアップされる。この製品を利用すると、非常にきめの細かいVLANごとのQoSをサポート可能で、フレームリレーやATMといったレガシーメディアからEthernetへのスムーズな移行をサポートする。1枚で最大6万4000のVLANを収容可能だ。DPC-EQは、DPC-R、DPC-Xそれぞれの上位版に位置付けられており、DPC-Rベース製品2モデルとDPC-Xベース製品2モデルの計4モデルが提供される。なお、DPCモジュールは既存製品・新製品とも、すべてのMXシリーズに対応可能で、フレキシブルな構成をとることができる。

 発売時期はMX480とDPC-Xが10月から、DPC-Qは2007年第4四半期から、MX240が2008年第1四半期から。価格はすべてオープン。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://juniper.co.jp/
  プレスリリース
  http://juniper.co.jp/company/presscenter/pr/2007/pr-070926.html

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( 石井 一志 )
2007/09/26 16:25

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