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第一プロダクトマーケティング部の中島豊部長
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手前の2台がCentreCOM x900。奥がSwitchBlade x908
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アライドテレシス株式会社は9月26日、コアスイッチの新製品となる「SwitchBlade x908」と「CentreCOM x900」を発表した。11月より順次出荷を開始する。
これらはともに「日本市場のニーズにフォーカスした製品で、ネットワーク冗長および負荷分散が低コストで実現できるようにするとともに、省スペース化を実現したのが開発コンセプト」(第一プロダクトマーケティング部の中島豊部長)という。
「従来ネットワーク冗長を実現するためには、VRRP、STP(スパニングツリープロトコル)、RIP、OSPFなどレイヤごとに異なる冗長化プロトコルを利用しなければならず、管理者の負担が非常に大きいのが実情だった」(中島部長)。その問題を解決するため、新製品では独自のスタック機能「VCS(Virtual Chassis Stacking)」を搭載。専用のスタックモジュール/ケーブルで接続することで、複数台の新製品を、シングルIPで仮想的に1台のスイッチとして動作させることが可能になる。
「VCSではLink Aggregationのみのシンプル構成でネットワーク冗長が実現できるので、管理負荷が非常に小さく済む」(同氏)。その際、L2/L3データベース、QoS、ACLといった各種情報が同期するため、仮に1台に障害が発生しても運用が継続される。さらに、VCSで接続されたスイッチはアクティブ/アクティブで稼働し、負荷分散を実現することも可能だ。
併せて「EPSR(Enterprise Protected Switched Ring)」機能もサポート。スパニングツリープロトコルと同様の機能を提供するものだが、トポロジーを限定し、リング型で接続された各スイッチの役割をあらかじめ固定しておくことで、障害の検出と経路の切り替えの高速化を実現するという。その速度は「最短で50ミリ秒未満」(同氏)。
「スター型と比べてリング型はケーブル配線がシンプルになり、コスト削減が可能。当社では、レイヤ2/3スイッチのEPSR対応を進めており、ローカルでの分散処理も可能にしながら、安価にリングネットワークを構築可能にしていく方針」(同氏)とのこと。
SwitchBlade x908は、3Uの筐体に8個の拡張スロットを搭載し、Gigabit Ethernetで最大96ポート、10Gigabit Ethernetで最大8ポートまで対応する「シャーシ型とボックス型双方のメリットを採用した新しいタイプのコアスイッチ」(同氏)。最大4台までのスタック接続が可能だ。
一方のCentreCOM x900は、1Uに24ポートのGigabit Ethernetを装備したボックス型スイッチで、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tの「AT-x900-24XT」とSFPスロットの「AT-x900-24XS」をラインアップする。いずれも固定24ポート以外に2個の拡張スロットを装備し、最大で24ポートのGigabit Ethernetを増設できるほか、最大8台までスタック接続することが可能だ。
価格は、SwitchBlade x908が79万8000円(税別)、AT-x900-24XTが59万8000円(同)、AT-x900-24XSが69万8000円(同)。拡張モジュールは、「AT-XEM-12T(1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×12)」「AT-XEM-12S(SFPスロット×12)」「AT-XEM-1XP(XFPスロット×1)」がいずれも29万8000円(同)。「AT-XEM-STK(スタックポート×2)」が14万8000円(同)。
また今回から、モジュール構造の新OS「AlliedWare Plus」が搭載された。機能追加や修正をモジュール単位で行えるので、開発にかかる時間を大幅に短縮するという。さらに業界標準のコマンドラインを採用したことで、他社製品からのリプレースも容易だとしている。
同OSのほか、OSPF、BGP、PIM、ダブルタグVLANなどをサポートするライセンス価格が、SwitchBlade x908では45万円(同)、CentreCOM x900では20万円(同)での提供となる。
■ URL
アライドテレシス株式会社
http://www.allied-telesis.co.jp/
ニュースリリース
http://www.allied-telesis.co.jp/info/news/2007/nr070926.html
( 川島 弘之 )
2007/09/26 17:39
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