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ネットワンとNSAT、統合型ネットワーク運用管理サービスを提供

日本最大級の規模となる新施設「XOC」を開設

XOC施設の概要

ネットワンの澤田脩社長

XOCではライフサイクル全般にわたってサポートする
 ネットワンシステムズ株式会社(以下、ネットワン)は11月28日、グループ企業のネットワークサービスアンドテクノロジーズ株式会社(以下、NSAT)と共同で、ネットワークシステムの高可用性を支援するために、日本唯一の統合型ネットワーク運用管理サービスを提供する施設「エキスパートオペレーションセンター(以下、XOC)」を11月29日から新規開設すると発表した。また、最新のUnified Communications機材・テクノロジーを紹介する「Unified Communicationsデモルーム」および「TelePresenceルーム」を11月29日にNSAT本社内に開設することも、あわせて発表した。

 XOCの新規開設にあたりネットワンの澤田脩社長は、「XOCが提供する統合型ネットワーク運用管理サービスは、ITネットワークの急速な進化が続く中、顧客がネットワーク上でのサービスを展開する上で、今後、必要不可欠になると確信している。また、ネットワングループのNSATにとっても、心臓部分にあたる施設になると位置づけている。XOCの新規開設によって、物販モデルからサービスモデルへの転換戦略をさらに加速させるとともに、社会基盤としてのネットワークに貢献するオンリーワンのネットワークソリューションプロバイダーを目指して活動を推進していく」との方針を述べた。

 XOCは、運用管理サービスを提供する施設としては日本最大級の設備・人員規模となり、総面積は約250平方メートルで、約200人のエンジニアを集約する。施設は、1)オペレーションゾーン、2)エスカレーションゾーン、3)ディプロイゾーン、の3つのサービス提供ゾーンに分かれており、オペレーションゾーンには各種提供サービスの指示系統を集約する。ここでは約50人のオペレーター/スーパーバイザーが従事し、サービスデスクおよびリモート監視を担当する。エスカレーションゾーンは、オペレーションゾーンと併設され、円滑なインシデント対応を行う。約150人のエンジニアが従事し、オペレーションゾーンの後方支援を担う。ディプロイゾーンでは、サービスイン前の運用システム構築/システム検証を実施。また、オペレーションゾーンに併設しており、システムとオペレータの連携を事前に検証することもできる。

 XOCを支える設備としては、セキュリティでは、ISO27000情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)認定を取得するほか、オペレーションゾーンへの入室にはIDカード+生体認証装置によって入退室を制限。また私物の持ち込み禁止、監視カメラによる24時間監視などを実施する。電源では、センター全域に複数台の大型UPSを導入、法定停電時の電源車接続対応などを実施し、さらに事業継続環境として、世界最大規模の外部データセンターに専用コロケーションスペースを確保し、システム拡張にともなうサーバー増設に柔軟に対応する。加えて、大規模システム障害・被災の際にサービス提供を継続するためのバックアップオペレーションセンターを、データセンター内に併設しているという。


NSATの市川勝敏社長

XOCが提供する運用管理サービス
 NSATの市川勝敏社長は、「現在、企業では、情報通信ネットワークの利用上の課題として、安全性・人材不足・運用コスト増大・障害復旧・効果の把握を挙げている。しかし、これらの課題が生じている原因には、ネットワークの急速な進化に、企業の運用管理体制が追いついていないことが大きく影響していると考えられる。今回開設するXOCではこうした課題を解決するために、統合した運用管理機能を提供するとともに、ライフサイクルにわたって最適な支援を行っていく。これにより、24時間365日の安定したネットワークシステムの稼働環境を実現し、企業はXOCへ運用管理を委託することで、担当者を戦略的で生産性の高い業務に専念させ、運用コストの削減を図ることも可能となる。今後、XOCのサービスを幅広い企業に向けて提供していきたい」と意欲を見せている。

 具体的な運用管理サービスとしては、1)XOCが提供する運用管理サービスの土台となる「Network Function」、2)セキュリティコンサルタントによる事前調査の後、ファイアウォールの稼働監視・管理、ネットワークへの不正アクセス監視、ログ監視に加え、独自開発の分析エンジンをもつナレッジDBに基づき、顧客企業のセキュリティ環境を監視する「Security Function」、3)IPを活用したさまざまなコミュニケーション提案のほか、運用中のIP電話システムの品質監視や構成管理などを行い、安定した稼働環境を提供する「Unified Communications Function」、4)サーバー・ストレージのCPU、メモリ、ディスクなどの使用率・稼働状況をモニタリングし、性能低下などシステム運用に支障をきたすインシデントを最小限に抑制する「Server&Storage Function」、の4つのサービスを用意している。Network FunctionとSecurity Functionは、2008年3月末までに段階的にサービスを拡張・追加して提供。また、Unified Communications FunctionとServer&Storage Functionは2008年度にサービス提供を開始する予定。

 XOCの新規開設とあわせて発表された「Unified Communicationsデモルーム」と「TelePresenceルーム」は、ユニファイドコミュニケーションの導入を検討する企業に向けて、実際に体験できる場を提供するもの。音声通信、電子メール、ビデオ会議、Web会議などの異なるコミュニケーション群をIPネットワーク上でシームレスに統合した、次世代のコミュニケーションを体感することができる。さらに、顧客企業の社内コミュニケーションの課題に関するディスカッションを交えることで、導入担当者や利用部門全体に向けて、ユニファイドコミュニケーションが業務の効率化や生産性の向上に貢献する、より具体的な導入イメージを提供していく。

 Unified Communicationsデモルームでは、Cisco Unified Communicationsを中心に、最新のUnified Communications機材を用意しており、音声、ビデオ、Webを統合したリッチメディア会議ソリューションやMicrosoft Office Communications Server 2007とCisco Unified Communications Managerの連携ソリューション、内線番号をダイアルするだけの簡単操作で始められるビデオ会議システム、IP Phoneから音声でAV機器を一括コントロールできる利便性向上アプリケーションなどのデモンストレーションを提供する。


TelePresenceルーム
 TelePresenceルームでは、実物大の映像を投影するモニタ/超高解像度ビデオ/3次元的音声によって、離れた相手とも同じ空間を共有しているかのような環境を構築。デモンストレーションでは、離れた拠点でも同じ空間を共有できることを実際に体験することができる。

 なおネットワンでは今回の発表に先立ち、9月1日にユニファイドコミュニケーション事業推進本部を設立している。同本部は、ユニファイドコミュニケーションビジネスの販売拡大を行うための専門部隊で、エンタープライズ企業をメインターゲットとして、Cisco Unified Communications Managerを中心としたユニファイド製品群の拡販展開を推進している。ユニファイドコミュニケーション事業の販売計画として、2010年にユーザー数270社、受注金額で200億円を目標としている。



URL
  ネットワンシステムズ株式会社
  http://www.netone.co.jp/
  ネットワークサービスアンドテクノロジーズ株式会社
  http://www.nsat.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.netone.co.jp/newsrelease/2007/20071128a.html


( 唐沢 正和 )
2007/11/28 18:20

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