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ProCurve Switch 2610シリーズの筐体。奥行きが従来よりも短縮されているという
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プロカーブネットワーキングビジネス本部 マーケティングマネージャーの伊佐治俊介氏
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Data Driven IGMPの機能により、無駄なトラフィックを抑制できる
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日本ヒューレット・パッカード株式会社(以下、日本HP)は2月6日、管理機能付きのエッジ向けレイヤ2スイッチ「ProCurve Switch 2610シリーズ」を発表した。従来製品と比べて省スペース化・低価格化を実現しながら、マルチメディア関連の機能などが強化されているという。販売は同日より開始され、3月上旬の出荷開始を予定する。
ProCurve Switch 2610シリーズは、24ないし48基の100BASE-TX/10BASE-Tポートを備えたエッジ向けレイヤ2スイッチ。レイヤ2のFast Ethernetスイッチとしては最上位に位置するシリーズで、従来製品「ProCurve Switch 2600シリーズ」と比べて、奥行きを短縮したほか、約14~37%の価格低減を実現した。
機能面では、従来はコンボポートだったアップリンクポートを独立させ、100BASE-TX/10BASE-Tポートとの同時使用に対応。また、マルチメディア関連の機能を新たに搭載しているのも特徴で、Data Driven IGMPとLLDP-MEDをサポートしている。このうちData Driven IGMPは、IPマルチキャストトラフィックのフラッディングを防止するためのもので、送信されてきたマルチキャストパケットをスイッチ側でいったんバッファしておき、クライアントPCからJoinメッセージが送信されてきてはじめて、そのパケットを必要なところのみに送信するようになっている。
一方LLDP-MEDは、IPを用いるエンドポイント機器とスイッチ/ルータ間の情報交換を定義したプロトコル。あらかじめ設定プロファイルをスイッチに入力しておけば、IP電話機などがこのスイッチへ接続された場合に、必要な設定情報をスイッチが自動でデバイスへ送信してくれるようになるため、管理者の負担を軽減できる。現状では、相互互換性が確認されたIP電話はないというが、プロカーブネットワーキングビジネス本部 マーケティングマネージャーの伊佐治俊介氏は「今後、IPテレフォニー企業との検証を進めていく」とした。なお伊佐治氏によれば、このクラスのスイッチでLLDP-MEDをサポートする機器はほかにないという。
ラインアップには、ポート数やPoE(Power over Ethernet)対応などの違いで5機種が用意された。PoE非対応機種は、100BASE-TX/10BASE-T×24の「ProCurve Switch 2610-24」と、100BASE-TX/10BASE-T×48を備える「同 2610-48」の2つ。またPoE対応機種は100BASE-TX/10BASE-T×24の「ProCurve Switch 2610-24-PWR」、100BASE-TX/10BASE-T×48の「同 2610-48-PWR」に加えて、100BASE-TX/10BASE-T×24のうち12ポートのみがPoEに対応する「同 2610-24/12PWR」が提供される。アップリンクポートは、5機種ともに1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×2とMini-GBIC(SFP)×2を独立して備えた。
価格は、もっとも低価格なProCurve Switch 2610-24が8万6100円、最上位の同 2610-48-PWRが37万3800円。日本HPでは、強化されたマルチメディア機能やPoE機能などが効果的に利用できる、無線LANアクセスポイントやVoIP通信、テレビ会議、ビデオ監視といった用途に向けて、ProCurve Switch 2610シリーズを積極的にアピールするとしている。
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プロカーブネットワーキングビジネス本部の芝原房夫本部長
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なお同社では、これまで取り組んできたラインアップの充実や価格の変更などを受けて、ProCurveスイッチのパートナー制度を大幅に変更する。これまでは3社のみを一次代理店とし、その後にディストリビュータやインテグレータを経由して販売する形態を採用していたが、4月からは一次代理店を大幅に拡大することにしたという。プロカーブネットワーキングビジネス本部の芝原房夫本部長は、「当社のPCやIAサーバーを扱っている一次特約店約50社は、すべてProCurveの一次店になると考えていただいていい」と、新制度を説明している。
この制度変更によって日本HPでは、コモディティ化しつつあるレイヤ2スイッチの販売領域を拡大したい考え。芝原氏は「当社はボリュームゾーンのサーバー販売はとても強いので、サーバーとスイッチをセットで販売する機会が増えることを期待している。また、今は他社のスイッチを展開しているパートナーが、顧客のリプレース案件などの際に、ProCurveを扱っていただけるようにしたい」と話し、そのためのサポート体制なども強化していくとした。また、レイヤ2スイッチを入り口にレイヤ3スイッチを導入する例も増えていることから、最終的にはより上位のスイッチ拡販にもつなげたい意向だ。
■ URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
ニュースリリース
http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2008/fy08-052.html
( 石井 一志 )
2008/02/06 17:12
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