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日本アバイア、SOAで基幹システム連携が可能な音声ポータルソフト新版


ソリューションマーケティング部 ソリューションマーケティングマネージャの田中美紀氏

サービス化された各コンポーネントの連携が容易になったため、ボイスポータル導入のための開発工程が大幅に削減されたという
 日本アバイア株式会社は2月8日、自動音声応答を実現するソフトウェアソリューションの新版「Avaya Voice Portal 4.1」を提供開始すると発表した。

 Avaya Voice Portalは、自動音声応答機能を企業のアプリケーションに組み込むためのボイスポータルソフトウェア。Webブラウザ上で文字を入力して情報を検索する一般的なWebポータルの音声版で、音声によって情報を入力し、その結果を音声で聞く音声自動応答の環境を構築できるという。現在の自動応答の多くは、選択した項目を電話機のボタンで数字を入力するタッチトーン方式を採用しているが、ボイスポータルを利用すると、「はい」「いいえ」といった返答や、簡単な項目を音声認識できるので、入力の幅を広げられる。

 このようなボイスポータル製品は2000年ごろから登場し、注目された時期もあったものの、それほど広がったとはいえない状況だ。ソリューションマーケティング部 ソリューションマーケティングマネージャの田中美紀氏はこの理由について、「企業内の各システムと個別の連携機能を開発する必要があり、開発費用やメンテナンスの面で問題があった」と指摘する。しかし現在では、Webサービスを使って企業システムを連携させるSOA(サービス指向アーキテクチャ)の登場により、企業システム間の連携が容易になったことから、サービス化されたボイスポータルの提供によって、企業にもユーザーにもメリットを提供できると主張した。

 Avaya Voice Portal 4.1では、SOAによる容易な連携をサポートするほか、IVR(音声自動応答装置)によるセルフサービス機能や、どこに電話を着信させるかを設定するコールルーティング機能などの基本機能を搭載。加えて、新機能であるアウトバウンド(電話発信)機能では、相手が音声で応答できる状態なのか、FAXや留守電といった応答不能な状況なのか、といった認識を行えるので、状態に応じた次のアプローチへ容易に移行できるという。さらに電話会議の招集機能(最大10人まで)も追加されており、緊急に連絡が必要な際にも、速やかな対応が可能になるとのこと。

 また開発環境がオープン化されている点も特徴で、Eclipseのアドオンとして開発環境「Avaya Dialog Designer」が提供されるため、VoiceXMLやccXMLを利用したコールフローの開発を、専門技術者でないWeb開発者でも行える。管理面ではスケーラビリティも確保されており、1ポートから最大2000ポートまでを1システムとして管理可能だ。

 日本アバイアが引用した調査によれば、ボイスポータルはチケット予約や道案内、乗り換え案内、ニュース速報といった用途に向くと考えられているという。しかし同社ではそうした事例に限らず、企業内の業務プロセス改善に広く適用可能と考えており、具体的な活用シーンをモデル化して企業へ提案していく意向である。


チケット予約のキャンセル待ちにAvaya Voice Portalを活用した例。キャンセルの発生をトリガーにアウトバウンド機能によって顧客へ電話をかけられる 顧客へのコール後の自動音声応答では、音声入力を利用可能になる


URL
  日本アバイア株式会社
  http://www.avaya.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.avaya.co.jp/corporate/pressroom/2008/08_02_08.shtml

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( 石井 一志 )
2008/02/12 09:00

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