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ノーテル、エンドトゥエンドの仮想化ソリューションを発表


ノーテルが提供する、エンドトゥエンドの仮想化ソリューション

Nortel Networks セキュリティ&アプリケーションインテリジェンス ポートフォリオ・リーダー ワッシム・タウビ氏

Nortel Virtual Services Switch 5000
 ノーテルネットワークス株式会社(以下、ノーテル)は6月10日、新しいネットワーク仮想化ソリューションの提供を開始すると発表した。このソリューションでは、ネットワークに対してエンドトゥエンドでの仮想化を提供し、ネットワークへの投資効果の最大化や、柔軟なサービス導入などを可能にするという。

 現在のIT業界では、サーバーをはじめさまざまな分野で仮想化技術が提供されるようになっているが、これはリソースの活用を最大化したり、管理コストを低減したり、といったメリットが得られるためだ。ノーテルでは、それがサーバーやストレージにとどまらず、ネットワークの分野にも適用できると主張する。もっとも、ネットワークの仮想化というのは、レイヤ2レベルのVLANに代表される技術が以前より導入されており、決して新しい分野ではないが、ノーテルではルーティングスイッチ「Ethernet Routing Switch 8600 リリース5」によって、IP VPNベースの仮想化機能を提供し、VLANを適用するよりも大規模なネットワークで、効果的に仮想化を行えるようにしたという。

 Nortel Networks コンバージド・データ・ネットワークス イーサネット・スイッチング シニア・プロダクト・ライン・マネージャー、ロジャー・ラプー氏はこれを、「複雑なMPLSを用いなくても、ルーティングされたあらゆるIPネットワーク上でIP VPNサービスを拡大し、顧客ごとにネットワークを分離可能。MPLSを利用しないことから、トレーニングコストなど運用にかかる費用の削減も期待できる」と説明する。

 またサービスの仮想化では、サービスデリバリー基盤「Nortel Virtual Services Switch(VSS) 5000」を提供する。VSS 5000は、ファイアウォール、VPN、サーバーロードバランス、SSLアクセラレーションなどの機能を統合した製品。異なるネットワークに異なる機能・サービスレベルを1台から提供する「仮想ラック」というコンセプトに基づいて開発されており、さまざまな要件を持つネットワークへ、同時にサービスを提供できるという。また、これらの各仮想ラックは完全に独立しており、その仮想ラックだけに限定した管理権限を与えることも可能になっている。

 Nortel Networks エンタープライズソリューションズ セキュリティ&アプリケーションインテリジェンス ポートフォリオ・リーダー、ワッシム・タウビ氏は「VSS 5000を利用すれば、ハードウェアの統合によってスペースや電力が節約できるほか、新たなネットワークの追加と行った作業も容易に行えるため、管理コストも低減可能だ。SDKを公開しているので、他社製アプリケーションの追加も行える」と述べ、製品をアピールした。

 ノーテルでは、このようなエンドトゥエンドの仮想化で得られる、導入・管理両面でのメリットを訴求し、国内でも製品の展開を積極的に図る考え。サービスを多数のユーザーへ提供するサービスプロバイダをまず対象とするほか、統廃合が進む大学や、さまざまなステークホルダーがアクセスする企業のエクストラネット、また大企業のイントラネットなど、異なる要件を持つ複数のネットワークが併存するところへの導入も狙っている。



URL
  ノーテルネットワークス株式会社
  http://nortel.com/jp


( 石井 一志 )
2008/06/10 15:12

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