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「高密度スイッチ・ルータへの統合でグリーンITを実現」、ファウンドリー

48ポートGbEモジュールなどの高密度製品を発表

RX-B16XGが対応する製品の最上位となる「BigIron RX-32」

Foundryのハイエンド&サービスプロバイダシステム ビジネスユニット プロダクトマネージメント&マーケティングディレクタ、アメド・アブデルハリム氏。なおRX-B16XGは、Best of Show Award 大企業向けネットワークインフラ構築製品の特別賞を受賞した
 ファウンドリーネットワークス株式会社(以下、ファウンドリー)は6月11日、高密度実装を可能にするルータ/スイッチ向けの新モジュールを発表し、同日より展示会が開催されている「Interop Tokyo 2008」で展示を行っている。同社ではかねてからルータやスイッチの高密度化を推進しているが、その狙いは何なのか。米Foundry Networks(以下、Foundry)のハイエンド&サービスプロバイダシステム ビジネスユニット プロダクトマネージメント&マーケティングディレクタ、アメド・アブデルハリム氏に聞いた。

 Foundryでは現在、次世代のデータセンターに関するビジョンをまとめ、それに従ってビジネスを進めている。このビジョンの柱としては、パフォーマンス、仮想化、統合化、効率の4つが挙げられるが、効率という点でもっとも重視するのが、消費電力の削減と冷却の効率化。これは、昨今関心が高まっているグリーンITを実現するための重要な要素になるが、実はFoundryでは、5年以上前からこの問題を重要視して取り組んできたという。

 その1つは、「電子部品のエコ対応」(アブデルハリム氏)で、統合化が進んだ部品を採用するほか、日々のR&Dでも消費電力の最適化にかなりの時間とコストをかけ、製品単体での消費電力削減に力を入れてきた。しかし、「それ以上に効果があるのは、複数のスイッチ(やルータ)を、より大きな機器へ統合することだ」とアブデルハリム氏は主張する。「いくつもの機器を接続するだけでも、実は、かなり電力を食う。これを大きな機器に置き換えることで、小さな製品を複数接続する競合のアプローチと比べて、6~7割かそれ以上、消費電力も冷却効率も削減できる」というのだ。

 これを実現するためには、高い処理性能を備えたルータ/スイッチ製品が必要になるが、Foundryでは、「BigIron RX」「NetIron MLX」などのシリーズにおいて、小型モデルから、32スロットといった大型モデルまで、幅広いラインアップをそろえており、ベースとなる筐体は十分対応可能。そこに、さらなる高密度のモジュールを投入し、統合環境をより強力にサポートできる体制を整えたとする。

 具体的には、まず、BigIron RXシリーズ向けに16ポートの10Gigabit Ethernet(GbE)を搭載する高密度モジュール「RX-B16XG」を提供する。これを用いると、シャーシあたり、4スロットモデルのBigIron RX-4では64基、32スロットの同 RX-32では512基の10GbEを搭載可能で、大規模なネットワーク環境をこの製品に統合できるだけのポート数を備えた。さらに単体の消費電力でも、「10GbEポートあたりの最大消費電力を比べると、競合よりも30%以上低くなっている」(アブデルハリム氏)。なお、これまでFoundryでは基本的にラインレートの製品のみを提供してきたが、この製品は「ユーザーからのリクエストに応えて」(同社)、オーバーサブスクリプションになっている点に注意が必要である。参考価格は423万4450円で、提供開始は8月の予定。


GbE×48のモジュールが提供されたNetIron MLXシリーズの最上位、「同 MLX-32」
 一方NetIron MLXシリーズ向けには、GbEを48基搭載するモジュールを用意した。こちらは「最大で1Uサイズあたり54ポート、1ラックあたり1536ポートに対応しうる高密度製品で、同じクラスの競合製品と比べて、システム容量もポート密度も優れている」(アブデルハリム氏)特徴を持つ。また、消費電力も優れているとのことだが、中でもアブデルハリム氏が強調したのは、全体的な消費電力が低いだけにとどまらず、性能あたりの消費電力が少ないという点。Gbpsあたりの消費ワット数を見ると、「競合の半分ほどで提供できており、最適化を長年図ってきた成果が現れている」(アブデルハリム氏)とした。

 なおアブデルハリム氏は、IPv4/v6のデュアル対応をはじめ、マルチVRF(Virtual Routing and Forwarding)やMPLSをサポートするなど、これまで同シリーズで提供してきたメリットが継承される点も強調。このような多ポート、多機能のNetIron MLXシリーズを活用すれば、データセンターにおけるスイッチ/ルータの集約が可能になると述べ、適用例を挙げて説明した。

 「データセンターでは、スイッチやルータ、ボーダールータといった3層構造を採用する例が多いが、この製品を利用するとスイッチとルータの層を統合して、サーバーを直接収容できる。もちろん、これまで提供してきたルータの機能はすべて使えるので、VRFも利用可能。これを生かせば、セキュリティレベルの異なる複数のネットワークを、それぞれが独立した形で、仮想的に1台のスイッチに収容できる」(アブデルハリム氏)。新モジュールの参考価格は423万4450円で、2008年第4四半期の提供開始を予定する。



URL
  ファウンドリーネットワークス株式会社
  http://www.foundrynetworks.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.foundrynetworks.co.jp/about/newsevents/releases/article_releases.html?article_id=186&version=1
  http://www.foundrynetworks.co.jp/about/newsevents/releases/article_releases.html?article_id=187&version=1

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( 石井 一志 )
2008/06/12 16:44

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