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Interactive Intelligence プロダクトマネジメント担当ディレクター、レイチェル・ウェンティンク
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エージェント用の画面
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ウィザードを使用するので、ITに詳しくないユーザーでもレポートのカスタマイズが可能という
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米Interactive Intelligence 日本支社は6月25日、コンタクトセンター向けのアプリケーションスイート製品「Customer Interaction Center(CIC) 3.0 日本語版」を発表した。同日より販売を開始する。
CICは、コンタクトセンターで必要とされるインタラクション処理と管理機能を統合して提供するアプリケーションスイート。電話(IP/固定)、FAX、メール、チャットなどを利用したマルチメディアコミュニケーションを統合し、1つのプラットフォームで管理することができる。今回の新版では、セキュリティや他社製品との連携性、スケーラビリティなどが強化・改善された。
まずセキュリティ面では、TLSによるパケットヘッダの暗号化、SRTPによるオーディオストリームの暗号化、公開鍵・非公開鍵を利用した証明書のサポートといった強化により、盗聴防止を実現。また、録音したファイルの暗号化設定もサポートした。Interactive Intelligence プロダクトマネジメント担当ディレクター、レイチェル・ウェンティンク氏はこれらの強化によって、「金融・保険といった(セキュリティにシビアな)業界での安全なVoIP導入が可能になった」と説明する。
次の製品連携面での強化としては、.NET Framework 3.0対応の新API「IceLib」を公開し、他社製アプリケーションやユーザー自身が作成したアプリケーションとの統合を可能にするほか、マイクロソフトのOffice Communications Server(OCS)との統合を公式にサポート。プレゼンスやステータスの同期も行えることから、相手の状況を確認してから適切な連絡方法を選択できるので、生産性の向上が見込めるとした。なお、Interactive Intelligenceではこれ以外にも、SAPやOracle、Siebel、Salesforceといったアプリケーションとのプリパッケージされた統合機能を、今後提供する予定。また今回は、Polycomとの協業による同社製電話機の自動設定機能も提供されるなど、設定の簡素化に向けた取り組みも行われている。
3つ目のスケーラビリティ面では、1つのCICサーバーで最大1万5000ユーザーまでの登録に対応。ビジネスユーザーであれば3600ユーザーまで、コンタクトセンターエージェントであれば1000ユーザーまでの同時接続に耐えられるようになった。新版ではこのほか、自社開発のSIPソフトフォンの採用、Windows Mobile 5/6向けのモバイルソフトフォンの提供、ウィザードを用いたレポートのカスタマイズ機能搭載、といった強化が行われている。
なお発表会では、今後の機能強化ロードマップも一部明かされた。それによるとCICには、さらなる管理の簡素化を図るための「インタラクション・モニター」や、顧客の声をより反映するための「カスタマ・フィードバックマネジメント」といった機能が追加される予定という。このうち前者は、IC(Interaction Center)サーバーやSIPプロキシ、インタラクションメディアサーバーといった自社コンポーネントの稼働状況に加えて、他社製ゲートウェイの管理も可能にする機能。他社製品は、まずAudioCodes製品から対応を始め、Cisco製品にも対応させていく。
後者は、アンケートや会話分析などから“顧客の声”を読み取るための機能で、まずは問い合わせ応対後に顧客満足度を調査するポストコール調査機能を搭載する。「企業と顧客の満足度の認識には大きなギャップがあるため、カスタマフィードバックは重要。その中でもポストコールは大変効率的だし、1件あたりのコスト効率も高い手法だ」(ウィンティンク氏)。さらにその後には、声のトーンなどの変化をもとに感情的な会話を検出する機能も導入される予定で、こうした機能によって、より顧客満足度の向上を図るとしている。
■ URL
米Interactive Intelligence 日本支社
http://www.inin-japan.com/
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( 石井 一志 )
2008/06/25 15:23
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