|
副社長 エンタープライズ&コマーシャル事業 平井康文氏
|
|
コンタクトセンターと業務部門の垣根を越えられるという
|
|
MeetingPlaceとWebExとの連携も実現する
|
シスコシステムズ合同会社(以下、シスコ)は9月25日、コラボレーション製品の新ポートフォリオを発表した。統合コミュニケーションシステムの新版「Cisco Unified Communications System Release 7.0」、高品質のビデオ会議を提供する「テレプレゼンス」、新たなWeb 2.0アプリケーションプラットフォーム「Cisco WebEx Connect」から構成される。
シスコでは、「企業の中だけでなく企業間のコラボレーションが進み、グローバルにつながっている現在では、包括的なコラボレーションプラットフォームが必要になる」(副社長 エンタープライズ&コマーシャル事業 平井康文氏)との考え方に基づき、ソリューションを拡充。「オンプレミス(社内設置)型とSaaS型をお客さまの嗜好(しこう)にあわせて提供するとともに、自社製品だけでなく、あらゆるミドルウェアやアプリケーションとの相互互換性を、Web 2.0のスタンダードに基づいて提供していく」(平井氏)とした。
まず、各種のコラボレーション機能を提供するUnified Communications System 7.0では、スケーラビリティを高め、サーバー1台あたりで収納可能なユーザー数を増加させたほか、マイクロソフトのOffice Communications Server 2007、IBMのNotes、Sametimeといった製品との連携機能を高め、相互にIM(インスタントメッセージング)やプレゼンス情報のやりとりを可能にしている。また、モバイルとの連携性を強化し、Windows Mobile、Symbian、BlackBerryなどをサポートした。
さらに、「企業の境界」を取り払った点も大きな強化とのことで、特に、企業の中でも独立しがちだったコンタクトセンターと一般業務部門とのプレゼンス連携を実現している。「これまでは、エージェントが対応できない内容だった場合、電話を切って後日専門家から折り返し、といった形での対応だったが、今回からは。彼らのプレゼンスをリアルタイムで確認して、コールに出てもらえるにようになった。一発で解決できる」(テクニカルディベロップメント/シニアプロダクトマネージャー、竹内亮氏)。
この分野ではまた、企業内のシステムとSaaS型のWeb会議システムである「WebEx」の統合を実現する。単一のユーザーインターフェイスを用いながら、Web会議にはWebExを、音声会議には自社ネットワークを経由したMeetingPlaceを使うといった、柔軟なシステム利用を可能にする。竹内氏は「WebExは便利でも、一度外線に接続するなど、外部接続のコストがかかる。自社のネットワークを利用すれば効率的だろう」と述べ、メリットを具体的に説明した。なお2009年には、自社に設置されたMeetingPlaceのwebエンジンを、WebExのものに置き換えることも予定しているという。
2つ目のテレプレゼンスでは、主に顧客対応で利用する「Cisco TelePresence Expert on Demand」を提供する。顧客が同製品を用いると、ミーティングセッション機能を利用して専門スタッフを呼び出したり、専用エンドポイントを利用して対面で支援を受けたりできるという。
最後のCisco WebEx Connectは、SaaS形式で提供される新たなアプリケーションプラットフォーム。IM、ドキュメント管理、カレンダー、Web会議などの機能を備えるほか、APIが公開されているため、サードパーティが開発したウィジェット、Webアプリケーションと統合可能で、さまざまなビジネスシステムとの連動も図れるという。すでに英語版では、デスクトップ向けのWebクライアントを提供中。モバイル版も、2009年初旬に発売する予定とした。
なお平井氏によれば、ワールドワイドのコラボレーション市場は340億ドルの規模にも達するとのこと。日本はこのうちの5~10%に相当する大きな市場があるとした平井氏は、「当社は、この分野で大きな投資を行い、コラボレーションプラットフォームソリューションを提供するプロバイダとしての役回りをしっかりと果たしていく」との意気込みを示した。
■ URL
シスコシステムズ合同会社
http://www.cisco.com/jp/
( 石井 一志 )
2008/09/25 15:29
|