Enterprise Watch
最新ニュース

ジュニパー、サービスプロバイダのエッジ向け製品を強化


サービスプロバイダ マーケティングマネージャの佐宗大介氏

MXシリーズ向けの新製品

Mシリーズ向けの新製品
 ジュニパーネットワークス株式会社(以下、ジュニパー)は10月21日、通信事業者向けエッジ製品のポートフォリオを拡充する「インテリジェント・サービス・エッジ」(以下、ISE)を発表した。

 具体的には、イーサネットサービスルータ「MXシリーズ」向けの拡張モジュラーカード「Flexible PIC Concentrator(FPC)」、サービスエンジン「MultiServices DPC」を提供するほか、エッジ向けルータ「Mシリーズ」向けのEthernet PIC(物理インターフェイスカード)やパケット処理エンジンであるFEB(forwarding engine board)の新型などを用意する。

 新製品のうちFPCは、MXシリーズ用のモジュラーカード。ここにPICを挿すことで、OC-192やOC-48 PoSといったEthernet以外のインターフェイスをMXシリーズへ搭載できる。この価値を、サービスプロバイダ マーケティングマネージャの佐宗大介氏は、「アグリゲーションをEthernetで行って、(コアへの)アップリンクをFPCで行えるようになるため、従来は別の機器で行っていた作業を、1つの機器へ集約できるメリットがある」と説明した。PICはMシリーズやTシリーズといったほかのルータと共通化されているため、既存のものを流用したり、保守用パーツを集約したりできるメリットもあるという。

 また、MultiServices DPCは、MXシリーズ上でアプリケーションを有効に動作させるためのサービスエンジン。ファイアウォールや侵入検知・防御、SIPサーバーのセキュリティを確保するセッションボーダーコントローラなどの機能を、このエンジン上で動作させられる。同社のルータは、転送プレーンと制御プレーン、サービスプレーンを分離させるという設計思想に基づき、各部が独立しており、処理負荷や障害をほかのプレーンに影響させないようにしている。MultiServices DPCは、このサービスプレーンに相当する製品で、「動かすアプリケーションがほかのプレーンに影響を与えないほか、ハードウェアの性能を十分に活用できるので、パフォーマンスとスケーラビリティが向上するメリットもある」(佐宗氏)とのこと。

 Mシリーズ向けでは、新たなEthernet PIC「IQs-E PICs」を用意し、Ethernetのパフォーマンスや、キューイングの数、階層化といったQoS性能を向上させたほか、Mシリーズの下位製品「M7i」「M10i」向けに、FEBの新ハードウェアを提供。既存製品と比べて、20~40%パフォーマンスが向上したほか、フォワーディングプレーンのスケーラビリティはおおよそ倍になるなど、大きく性能が向上しているという。


 一方ソフトウェアでも、同社製ネットワーク製品が共通して採用するOS「JUNOS」において、エッジサービス機能が拡張され、「加入者管理」「アプリケーションコントロール」「エッジ・セキュリティ」「マルチメディア・サービス・ゲートウェイ」といった各分野の機能が強化されている。これらの強化は、標準機能またはオプションで提供される。

 なお、佐宗氏は、加入者が増えても単価が減少しているため、収益が圧迫されているサービスプロバイダの状況に触れた後で、「そうした状況への対応策は、新しいサービスの創出につきる」と指摘。その際に求められる、素早いサービスの展開、新しいビジネスへの対応、高い電力効率と既存資産の有効活用性、といった課題を、今回の強化を含めた自社製品で強力に支援するとアピールしている。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://juniper.co.jp/
  プレスリリース
  http://juniper.co.jp/company/presscenter/pr/2008/pr-081021.html


( 石井 一志 )
2008/10/21 15:07

Enterprise Watch ホームページ
Copyright (c) 2008 Impress Watch Corporation, an Impress Group company. All rights reserved.