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ライフサイズ、フルHD対応のビデオ会議システム

1080p/30fpsや720p/60fpsを低帯域でサポート

LifeSize Room 200(中央)では、従来機LifeSize Room(左)と比べて本体を小型化した

1つの画面内に最大4つまでの映像を分割表示可能。高解像度を生かせば、分割してもきれいな映像を表示できるという
 ライフサイズ・コミュニケーションズ株式会社(以下、ライフサイズ)は10月24日、HDビデオ会議システムの新製品を発表した。フルHD対応ビデオ会議システム「LifeSize Room 200」、同製品をベースにしたテレプレゼンス製品「LifeSize Conference 200」などを、同日より受注開始する。量産開始は11月上旬の予定。

 ライフサイズは、HDに特化して製品を提供しているビデオ会議の専業ベンダー。米LifeSizeのCEO兼共同創業者、クレッグ・マロイ氏が「当社では、臨場感のある、あたかも部屋に一緒にいるかのようなビデオコミュニケーションを提供したい。特に、ブロードバンドのメリットを生かし、HDでのユーザーエクスペリエンスを提供したいと考えている」と述べたように、これまでも、100万円を切る下位機「LifeSize Express/Focus」を含め全製品ラインで最大解像度720p(1280×720ドット)/30fpsの高品質映像をサポートしてきた。

 今回のLifeSize Room 200では、1080p(1920×1080ドット)/30fpsのフルHDをサポート。もちろん従来通りの720p/30fpsにも対応するほか、720p/60fpsも利用可能で、「60フレームを使うと遅延が半分になるため、定期的に遅延を減らし、音声やモーションもより自然にとらえることができる」(マロイCEO)という。また、占有する帯域が少ない点もライフサイズ製品の特徴で、LifeSize Room 200も1080p/30fpsは1.7Mbps、720p/60fpsは1.1Mbpsでの配信が可能。720p/30fpsであれば、1Mbpsを切る768kbpsの帯域で配信できる。

 さらに、トランスコーディング対応内蔵HD多拠点接続装置(MCU)により、最大6拠点での会議が可能。映像を分割し、1画面に最大4拠点からの映像を表示することもできる。もちろん、これまでの製品と同様、プレゼンテーション資料などの画面を配信する機能も搭載。デュアルモニタ表示にも対応している。製品は、本体とカメラ、集音マイク、リモコンなどから構成され、参考価格は360万円から。


LifeSize Conference 200

日立ハイテクの長尾英則本部長(左)と米LifeSizeのクレッグ・マロイCEO(右)
 2つ目のLifeSize Conference 200は、フルHD対応のテレプレゼンスシステム。テレプレゼンスシステムとは、非常に高い臨場感を提供できるビデオ会議システムのことで、同製品では、LifeSize Room 200を3セット利用してシステムを構築する。こちらもベース製品同様、フルHDや1080p/30fpsや720p/60fpsに対応し、臨場感のある、高品質のコミュニケーション環境を提供可能という。なお、LifeSize Room 200を3セット用いるため、帯域も3倍必要になるが、それでも他社製品と比べて1/3の帯域で利用できるとのこと。参考価格は1200万円(設置費別)から。

 このほか、ワークグループ会議向けのHDビデオ会議システム「LifeSize Team 200」も発表されている。上位機と同様、デュアルモニタやデュアルMicPod(マイク)、デュアルカメラに対応し、1Mbps以下の帯域で720p/30fpsの品質を配信可能。MCUも内蔵している。参考価格は250万円から。

 なお、こうしたビデオ会議システムは、主に中堅以上の、比較的大規模な企業で採用されることが多かったが、ライフサイズでは、低価格と高品質を武器に、よりビデオコミュニケーションの適応領域を広げたい考え。マロイCEOは、中小企業やSOHOのみならず、コンシューマを含めた展開を視野に入れているという。

 具体的なメリットとしては、コミュニケーションの向上による生産性向上に加え、出張の削減による経費節減効果を訴える。HD品質の高画質を生かすと、従来は工場へ赴いてじかに確認していたものを、映像経由で判断しても問題ないレベルまで達しているとのこと。また、ライフサイズの国内総代理店を務める株式会社日立ハイテクノロジーズ(以下、日立ハイテク)も、「テレビ会議以外の使い方、例えば遠隔医療、遠隔授業で利用されるなど、限りない使い方ができると考えている」(ITソリューション営業本部 長尾英則本部長)とのことで、特に業種・業態を絞らず、広範囲に展開する意向を示した。

 日立ハイテクでは、同社の高品質ビデオ会議ソリューション「ハイテクビジョン」の中核に据えてライフサイズ製品を販売し、LifeSizeの売り上げのうち20%を、日本からの売り上げで占めたいとしている。



URL
  米LifeSize
  http://www.lifesize.com/
  株式会社日立ハイテクノロジーズ
  http://www.hitachi-hitec.com/
  プレスリリース
  http://www.hitachi-hitec.com/news_events/product/2008/nr20081024.html

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  ・ 「一度体験すれば考え方が変わる」、HDビデオ会議の価値を訴求する日立ハイテクとLifeSize(2008/07/08)


( 石井 一志 )
2008/10/24 15:26

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