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フォーステン、中小規模ネットワーク向けのスイッチ製品「S25シリーズ」


S25V

米Force10 Networksのコーポレート・マーケティング担当副社長、ピーター・ルジカ氏
 フォーステン・ネットワークス株式会社(以下、フォーステン)は10月30日、中小規模向けのエッジスイッチ「S25シリーズ」を発表した。「S25N」「S25V」の両製品を提供する。

 S25Nは、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×24を備えた中小規模向けのエッジスイッチ。Gigabit Ethernet(GbE)ポートのうち4基はSFPとのコンボポートになっており、アップリンク用の10GbEポートも4基搭載する。S25Vも同様の構成だが、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-Tの全ポートが、Ethernetケーブル経由で電力を供給するPoE給電に対応している点が異なる。両製品の特徴は、複数のS25シリーズスイッチと上位機「S50シリーズ」をあわせ、8台までのスタックに対応すること。これらをまとめてシングルスイッチとして管理可能になっている。

 加えて、S25シリーズは、同社が新世代の製品に共通して採用しているモジュラー型OS「FTOS」を搭載。S25Vでは、FTOSへ新たに実装された省電力機能「PowerSmart」も利用できる。この機能を利用すると、ネットワークに接続された機器が必要とする電力を、スイッチが自動的に感知して、必要な電力だけを供給するため、消費電力の削減を行える。さらに、電源障害時の可用性を維持する目的で、ポートに優先順位を設定可能。「自由に管理者が優先設定を行えるので、例えば、エグゼクティブの電話や、銀行窓口業務のワークステーションだけは障害時でも電力供給を続けよう、といったことが可能になる」(米Force10 Networksのコーポレート・マーケティング担当副社長、ピーター・ルジカ氏)。この機能は、S25V以外にも、フォーステンのすべてのPoE対応製品で利用できるという。

 フォーステンの第二営業本部 権田裕一本部長は、日本でのビジネスについて、「これまでは、キャリア・サービスプロバイダ向け『Eシリーズ』でのビジネスがほとんどだったが、この1年ほど、CシリーズやSシリーズのスイッチ製品が、エンタープライズ市場に受け入れられてきた。特に、他社にない高密度・低遅延を実現した10GbEスイッチ『S2410』は、大容量のIPストレージを抱えるメーカーや、エンタープライズHPCなどですそ野を広げている」と話し、順調である点を強調する。しかし、企業の一般的な社内ネットワークに入り込むにはまだラインアップが足りないとの認識から、「今回新製品をリリースすることにした」と述べた。

【お詫びと訂正】初出時、権田氏のお名前を誤って記載しておりました。お詫びして訂正します。

 また、ルジカ氏も「ポート数の少ないアクセススイッチが必要だという顧客からの要望がとても多かったために、S50シリーズを補完する目的でS25シリーズを製品化した」と説明。S50シリーズと比べて消費電力を1/3削減すると述べ、データセンターの消費電力、冷却負担の削減などに貢献するとしている。


FlexMedia
 今回はあわせて、Cシリーズスイッチ向けの新ラインカード「FlexMedia」も発表された。これは、1枚で3種類のインターフェイスに対応できるラインカードで、1000BASE-T/100BASE-TX/10BASE-T×36、SFP×8、10GbE(SFP+)×2を搭載する。この製品を提供する意図について、ルジカ氏は「お客さまが将来10GbEへ移行する際に、新たなハードウェアを購入することなく移行させることはできないか、と考えた」と紹介。「この製品では、ラインレートを実現しながら、すべて1枚のカードで対応できる柔軟性を備えており、帯域幅への要求が増えても、お客さまはラインカードの追加投資なしで、10GbEへ容易に移行できるだろう」とメリットを強調している。なお、FlexMediaはPoE対応版と非対応版が用意される。

 参考価格は、S25Nが2500ドル前後、S25Vが3000ドル前後、FlexMediaが1万ドル前後。



URL
  フォーステン・ネットワークス株式会社
  http://www.force10networks.co.jp/


( 石井 一志 )
2008/10/30 18:46

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