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ジュニパー、最大25Tbpsの巨大コアルータを構築可能なプラットフォーム

T1600を16台接続可能、新しいビジネスモデルの構築も可能に

TX Matrix Plus単体

8ラック(16台)のT1600と3ラックのTX Matrix Plusを組み合わせて、最大25Tbpsのコアルーティングシステムを構築できる
 ジュニパーネットワークス株式会社(ジュニパー)は2月3日、マルチシャーシルータを構成するためのルーティングプラットフォーム「TX Matrix Plus」を発表した。これとコアルータの最上位製品「T1600」を複数組み合わせることで、最大25Tbpsのコアルーティングシステムを組み上げられるという。提供開始は2009年第3四半期の予定。

 ジュニパーでは2004年12月に、当時のハイエンドコアルータ「T640」を最大4台まで接続可能なプラットフォーム「TX Matrix」を、また2007年6月には1台で1.6Tbpsの処理性能を備えたT1600を発表しているが、TX Matrix Plusはこれらの延長線上にある製品。最大16台のT1600を1つに束ね、25Tbpsもの処理能力を備えた巨大なコアルータを、仮想的に作り上げることができる。

 特徴は大きく、1)省スペース性、2)省電力性、3)オペレーションの継続性、の3つ。1)では、最大構成時で11ラック(TX Matrix Plusが3ラック、T1600が8ラック)と、競合のマルチシャーシ製品と比べて半分以下のサイズを実現した。2)でも、競合製品と比べて消費電力を約半分に抑えられており、省スペース性、省電力性という、現在データセンターに求められる課題に応えられるという。

 3)では、顧客の投資保護が実現できる。T640は、電源モジュールとスイッチファブリックを交換するだけで、容易にT1600へアップグレード可能。さらに性能拡張が必要になった場合には、TX Matrix Plusの導入を検討すればよいため、シャーシを入れ替えることなく、ビジネスやトラフィック量に応じて継続した拡張をしていける。

 サービスプロバイダ・マーケティングマネージャの佐宗大介氏はこれについて、「2004年の製品を、2009年の新製品にまで継続して引っ張っていける継続性がある。今後増え続けるトラフィックと変革し続けるビジネスという環境の中で、重要な要因」と述べ、価値を強調した。加えてソフト面でも、同社のルータ製品に一貫して採用されているJUNOSを引き続き利用可能で、再トレーニングの必要なく、オペレーションを継続できる点が強みである。


JCS 1200と組み合わせ、仮想コアルータシステムの構築を可能にする

サービスプロバイダ・マーケティングマネージャの佐宗大介氏
 なおジュニパーでは、TX Matrix Plusで構築される巨大なコアルータと、2008年2月に発表した独立型制御プレーンシステム「JCS 1200」と組み合わせた価値を訴求し、新しいビジネスモデルを展開していけるとアピールする。これまで、キャリアやエンタープライズにおけるコアネットワークのインフラは、それぞれで必要とされる要件の違いなどから、いくつも独立して存在してきた。しかし、これらをすべてまとめて収容可能なほどのTX Matrix Plusのシステムと仮想化技術を用いてこれらを統合すれば、さまざまなメリットが生まれる、というのがジュニパーの主張だ。

 具体的には、1つの強大なルータを構成するTX Matrix Plusにすべてのサービスを収容し、JCS 1200の機能によって、そこから仮想的なルータを複数切り出すことで、柔軟なサービスの提供が可能になるという。佐宗氏はこのメリットについて「インフラの統合でCapEX、OpExの削減が見込めるし、複数ある機器を1つにまとめることで、障害の発生確率も低くなる。また、新しいビジネスモデルを迅速に追加できるなど、資産の効率的な利用が可能だ」と説明。また、サービスはサービス、インフラはインフラの担当者が継続して管理を行えることから、今までの組織を変えずに運用できるメリットもあるとした。

 なお、ビジネスへの応用としては、VNO(仮想サービス事業者)や、通信事象者とコンテンツ提供者が収益をシェアする“Open Garden”モデルを紹介し、新しいビジネスモデルが可能になるだろうとしている。



URL
  ジュニパーネットワークス株式会社
  http://juniper.co.jp/
  プレスリリース
  http://juniper.co.jp/company/presscenter/pr/2009/pr-090203.html

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( 石井 一志 )
2009/02/03 14:24

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