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シトリックス、Web 2.0コンテンツのサーバー負荷を軽減するNetScaler向け新機能


米Citrix NetScaler製品グループ担当副社長兼ジェネラルマネージャーのクラウス・オスターマン氏

従来のWebコンテンツとWeb 2.0コンテンツの違い

Web 2.0 Pushの動作の概要
 シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社(シトリックス)は4月15日、アプリケーションスイッチ「Citrix NetScaler」の新機能として、「Web 2.0 Push」を提供すると発表した。

 NetScalerは、負荷分散やデータ圧縮、SSLアクセラレーション、キャッシュ、TCP最適化などの機能によって、Webアプリケーションへのアクセスを高速化するロードバランサー。Google、Yahoo!をはじめとするさまざまな著名インターネットサイトに導入されており、75%のインターネットユーザーが同製品を通ってWebアクセスをしているという。また、企業でも1万を超える導入が行われるなど、普及が加速化している。

 今回提供されたWeb 2.0 Pushは、NetScalerがもともと持っているWebアクセス高速化の機能を、Web 2.0コンテンツにも拡大するものだ。Web 2.0コンテンツは、関連情報やアップデート情報をユーザーへ自動的に転送するプッシュ型の仕組みを持っているものが多いが、米Citrix NetScaler製品グループ担当副社長兼ジェネラルマネージャーのクラウス・オスターマン氏によれば、これまでのロードバランサーでは十分な対応ができず、事業者側ではサーバーの投資負担が増大してしまっていたという。

 「従来のWebコンテンツは、1つのリクエストに対して1つのレスポンスが返る同期的なやりとりだったが、Web 2.0コンテンツはより非同期であり、接続が長い間続くほか、複数のレスポンスが返ってくるケースもあった。このため、ユーザーとサーバーが1対1の関係になり、サーバーのリソースを占有してしまっていた」(オスターマン氏)。

 今回発表されたWeb 2.0 Push機能は、この状態を解決するために提供される。この機能では、クライアントに対して送られるソースをNetScalerがキャッシュし、必要に応じて、各クライアントへの配信を行う仕組みを採用。クライアントとサーバーの1対1の関係を排して、NetScalerが通信を仲立ちするため、サーバー側の負荷を1/5~1/10にできるとのことで、これによってサーバー台数の削減、ひいてはTCOの削減につなげられる。

 開発にあたっては、Citrix側で開発作業を行うと同時に、Web 2.0コンテンツの負荷増大に苦しむ顧客企業との緊密な連携が行われたとのことで、オスターマン氏は、競合が似たようなものを提供しようとしても、すぐには難しいだろうとの見解を示している。

 なお、Web 2.0 Pushはソフトウェアのアップグレードで入手でき、保守契約中のユーザーは、無償でこの機能を追加できる。対象とするハードウェアは、NetScalerの全ラインアップ。



URL
  シトリックス・システムズ・ジャパン株式会社
  http://www.citrix.co.jp/

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( 石井 一志 )
2009/04/15 11:36

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