日本ヒューレット・パッカード株式会社は10月16日、シングルサインオン(SSO)製品の新バージョン「HP IceWall SSO 7.0 Enterprise Edition」を、新しいライセンス体系で発売し、11月7日から出荷すると発表した。同製品は、直販および日本電気株式会社、株式会社CSK、日商エレクトロニクス株式会社、横河レンタ・リース株式会社のパートナー各社からの販売となり、同社では年間の販売目標を60億円としている。
Enterprise Editionは、100/500/1,000/10,000/100,000/1,000,000の各ユーザー単位での販売となっており、価格は100ユーザーで2,300,000円、10,000ユーザーの場合で18,000,000円から。Standard Editionでは基本パッケージ3,000ユーザーに、100/1,000単位での追加となり、10,000ユーザー未満のシステム構築で価格面のメリットがあるものの、拡張機能とサポートに関する制限がある。オプションとなるエージェント機能は、サーバー1台あたり1,000,000円での提供となる。動作OSは、LinuxとHP-UX。認証データベースにはSun ONE DirectoryServer4.1x/5.1x、ActiveDirectory(Windows 2000 SP2)、Oracle 8.1.7/9.0.1/9.2.0(EE/SE)、CSVをサポートしている。
HP IceWall SSOは、NTTデータ、六本木ヒルズの会員・テナント向けサイトなどでの導入実績があり、損保業界や通信、金融機関を中心に1200万以上のユーザーが利用している製品。IceWallサーバーは、クライアントのアクセス時にリバースプロキシとして動作し、認証サーバーのDBを参照、この情報をIceWallサーバーに接続されたWebサーバーへ渡すため、一度のログインで複数のWebサーバーへの認証が可能となるシングルサインオン機能を提供する。またユーザーごとに各Webサーバー別のアクセスコントロールも行える。そのほか複数台のWebサーバーを運用している環境でも、IceWallサーバーでセキュリティを確保するだけで容易にセキュアな環境を構築できる利点もある。
新バージョンとなる7.0では、必要な機能にフォーカスした企業ポータル機能「Dynamic Menu Portal」を新たに装備した。企業内の全ユーザー、部署内ユーザー、個人のカスタマイズされた各情報を、1つのビュー内に表示が可能となっている。またリバースプロキシでは従来弱点とされている大量データやストリーミングデータのやりとりの際に、IceWallサーバーをスルーできるエージェントプログラムによる認証に対応した。またこのエージェントを用いれば、サーバーのない小規模拠点でのシングルサインオンも可能となる。また11方式48通りの組み合わせに対応する自動フォーム認証機能も追加されている。このほかAPIの拡張もなされた。
同社コンサルティング統括本部 eソリューション部 部長の小早川直樹氏によれば、Webソリューションの市場動向として、Webによるインターネットでのサービス提供から、「ここ1、2年、イントラネットにWebポータルを導入する動きが増えている」とのこと。この理由として、企業では社内でのコスト削減のため、間接部門業務のWeb化を進めているという。だが、「Webが部署ごとに乱立して、300~400のWebサーバーがあるところも存在する。これでは使い勝手が悪く、結果として間接部門の業務削減につながらない」とした。HPでは1997年の時点で約24億円の投資を行い、自社内にポータルとSSOを組み合わせたシステムを導入、初年度に60億円のコスト削減に成功している。「今回の製品にこのときのノウハウを生かした」と語った。また同氏は、今バージョンでのポータル機能の追加により、「従来の大規模インターネットでのシェアに加え、小規模のイントラネットへの浸透を図る」としている。
■ URL
日本ヒューレット・パッカード株式会社
http://www.hp.com/jp/
ニュースリリース
http://www1.jpn.hp.com/info/newsroom/pr/fy2003/fy03-207.html
HP IceWall SSO
http://www.hp.com/jp/icewall/
( 岩崎 宰守 )
2003/10/16 13:42
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