エリアビイジャパン株式会社は10月29日、新機能「SWANStor EZ Kit」を追加したSSL-VPNソフトウェアパッケージ「SWANStor SUITE EZ Kit」を12月上旬より販売、下旬より出荷すると発表した。価格は最小構成となる1サーバー20ユーザーで1,580,000円から。同社では初年度に100セットで3億円、次年度には250セット、7.5億円を売り上げたい考え。
エリアビイジャパン株式会社は、同社代表取締役社長の水野正博氏とAreabe,Inc.CEOの鈴木一成氏が2000年12月にシアトルでAreabe,Inc.を立ち上げ、その日本法人として2001年に設立された。2002年8月よりSSL-VPNソフトウェア「SWANStor」シリーズを市場に投入し、今まで200社以上に出荷している。

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エリアビイジャパン株式会社 代表取締役社長 水野正博氏
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Areabe,Inc.CEO 鈴木一成氏
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SWANStor SUITE EZ Kitは、ゲートウェイ導入時に、Linuxをベースに稼動に必要な部分だけで構成された独自OS「Secured OS」とゲートウェイソフトウェアをオートランでインストールする「SWANStor EZ Kit」を、既発売の「SWANStor SUITE」に追加したもの。ブラウザから設定が可能なGUIインターフェイスも新たに備えており、「Linuxの知識がなくとも設定が可能で、インストールから設定終了まで15分しかかからない」(鈴木氏)としている。
従来のSWANStor SUITEでは、事前にLinuxのインストールを行ってからインストールをする必要があり、「SIerをはさまない規模の案件では、アプライアンス製品と比較されて厳しいものがあった」(水野氏)とのことで、「今回の製品でこういった需要に応えたい」としている。
SWANStor SUITEは、「SWANStor Gataway」「SWANStor ServerPRO」のパッケージ。ログイン認証を行なうゲートウェイとアクセスコントロールを行うサーバーを分離しており、導入にあたっては既存のSSL-VPN製品のようにファイアーウォールのポート設定を変更する必要がない。また自由なハードウェア構成が可能なのも利点となっている。さらにSSL対応ブラウザであれば、PCだけでなく、PDAや携帯電話などのデバイスからアクセスが可能で、ブラウザで動作するアプリケーションであれば制限なく利用できるほか、共有ファイルへもアクセスできる。
このほかMicrosoft Remote Desktop・FTP・Telnetに対応したターミナルクライアント、POP/SMTP対応のメールクライアント、Lotus Notes対応クライアント、MetaFremeクライアント、Oracle DBクライアントの各オプションにより、それぞれのアプリケーションを利用できる。また、サーバー/ゲートウェイそれぞれのロードバランスを行えるオプションも用意されている。
同社はこのほかの製品ラインアップとしてSWANStor Serverを単独で販売しており、ゲートウェイでのログイン認証は、同社が提供するホスティングで行うため、「サーバーを導入するだけのスモールスタートが可能で、例えば1台のサーバー内にグループウェアとSWANStor Serverを並存させることもできる」としている。ホスティングの料金は価格の20%となる年間保守料金に含まれ、「SWANStor Server」価格はSSL-VPN製品としては安価の298,000円となっている。
これまでの同社の顧客をユーザー規模別に見た場合、「300人以下が約半数」とのことで、小規模環境での導入のほか、小拠点を多く抱える企業などの場合にも、「中央にゲートウェイを設置し、小拠点にはサーバーのみ導入することも可能」と語った。
■ URL
エリアビイジャパン株式会社
http://www.areabe.com/jp/
( 岩崎 宰守 )
2003/10/29 20:08
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