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三井物産、メールアドレスで通信暗号化を行う製品群を日本で提供

~米Voltage Securityのセキュリティ製品の日本総代理店に~

IBEを用いてメールを暗号化する場合の流れ

Voltage SecurityのPresident and CEO、Sathvik Krishnamurthy氏
 三井物産株式会社は11月4日、米Voltage Securityの情報漏えい防止製品群「Voltage Securityプラットフォーム」の日本総代理店となることを発表した。同製品は、近日中に三井物産のパートナーを通じて販売が開始される見込み。

 Voltage Securityプラットフォームは、ユーザー、企業間、企業内などでやりとりをされるメール、ファイル、インスタントメッセージなどの暗号化をする製品で、Identity-Based Encryption(IBE、個人識別情報による暗号化)を用いていることが特徴。IBEは、メールアドレスなど一般的な情報を公開鍵として暗号化を行う非対称の暗号化方式で、従来のPKIを利用したソリューションと異なり、電子証明書や証明書失効リスト(CRL)の管理が不要。そのため、ユーザーの利便性が向上したり、管理の手間が軽減されたりしているという。

 実際にメールを暗号化する場合は、メールの送信側、受信側の双方に暗号化・複合化を行うソフト「Voltage SecureMail」をインストールすること、暗号解除のための鍵を送る認証サーバーを設けることが必要となる。送信側は暗号化を特に意識せずに、同ソフトをインストールすることで現れる「暗号送信」ボタンを押して送信するだけで、暗号化が行われる。受信側は、認証サーバーから秘密鍵を取得、複合化してメールを読む。なおSecureMailはWindows用で、対応メーラーはOutlook、Outlook Express、Lotus Notes(予定)のみだが、ほかのメーラーやOSでも閲覧ができるような仕組みを開発中とのこと。また認証サーバーはLDAP、アクティブディレクトリ、ドメイン認証などと連携することが可能。

 現在発売が決まっているのは認証サーバーを構築するソフト「SecurePolicy Suite」と、前述のVoltage SecureMail、ファイルの暗号化を行うクライアントソフト「Voltage SecureFile」の3製品。今後はこれに加えて、インスタントメッセージ、VPN、VoIPなどを暗号化する製品のリリースが計画されている。また、デベロッパー向けのツールキットも今後提供を行う。

 Voltage SecurityのPresident and CEO、Sathvik Krishnamurthy氏は、「企業間で行われる通信はミッションクリティカルになってきているので、セキュアなプラットフォームが求められているが、PKIの導入はコスト面も含めて大変。VoltageはIBEを用いたソリューションを提供することで、そういったニーズに応えられる」と語り、PKIに対する優位性を強調していた。

 価格は現段階で未公表だが、認証サーバーのライセンスと、認証を受けるクライアント数のライセンスを購入する方法になるとのこと。



URL
  三井物産株式会社
  http://www.mitsui.co.jp/
  Voltage Security,Inc.(英語)
  http://www.voltage.com/


( 石井 一志 )
2003/11/04 18:24

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