センドメール株式会社は12月9日、スパムメール対策ソリューション「Sendmail Mailstream Anti-spam Solution 2.0(以下、MAS2.0)」、およびMAS2.0を構成するメールフィルタリングソフト「Sendmail Intelligent Inbox(以下、Intelligent Inbox)」単体の販売を開始したと発表した。いずれも対応するサーバーOSは、Red Hat Linux、SuSE Linux、MIRACLE Linux、Solaris(Windowsは対応予定)。価格はオープンプライス。
■ 3階層のフィルタリングでスパム対策を行うMAS2.0
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MAS2.0の3階層フィルタリング手順
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MAS2.0はメールが各メールボックスに到達する前に「FlowControl Filter(システムレベル制御)」、「Anti-Spam Filter(スパム検索エンジン)」、そして後述の「Message Organizer(Intelligent Inboxのフィルタリング機能)」の3階層でフィルタリングを行う。SendMail以外のメールサーバーやグループウェアなどと組み合わせての利用も可能。
FlowControl Filterは、メールゲートウェイを通過するメール流量を監視・コントロールし、DoS攻撃やメールアドレスの採取(アドレスハーベスティング)などのメールに関する不正侵入を防ぐ。同社代表取締役社長の小島國照氏が特に効果的と述べる「よくある名前など適当な文字列とドメイン名を組み合わせたメールが大量に送られて一定数以上の誤配信を感知した場合、そのドメインからの送信を禁止するなど、フィルタリング対象を自動的に蓄積できる」といった機能もある。
Anti-Spam Filterは、スパムメールのさまざまな特徴のデータベースを持ち、搭載するパターンマッチングエンジンが受信したメールを解析、照合してスパムかどうかを判定して格付けを行う。管理者はこれらへの対応レベルやアクションのカスタマイズが可能で、明らかなスパムは削除、疑わしいものは件名に注意を促す文字列を挿入するといった設定ができる。
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代表取締役社長 小島國照氏
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Message Organizerは後述のIntelligent Inboxの機能の一部で、各ユーザーが特定のヘッダー情報からブラックリスト・ホワイトリストを作成して自動削除などのアクションをWebブラウザから設定できる。
同社によると、MAS2.0を導入した時点で受信するスパムメールの97%以上をブロックし、逆に正規のメールをスパムと判定してしまうことは1%以下に抑えることができるという。
小島氏は、「米国のスパムの被害が深刻で、調査によると現在メールの45%を占め、2007年には70%を超えると予想されている。世界的にも増加する傾向にある」と警告した上で、「ウイルス対策と違ってまだ決定的な対策がない、スパム対策はこれから伸びる市場」と、ウイルス対策と同様に利用者が増加することを予想する。
■ サーバー側のフィルタリング条件をクライアントが設定可能なIntelligent
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Intelligent Inboxの設定画面例
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Intelligent Inboxは、サーバー側に設置するメールフィルタリングソフト。クライアント側のメールソフトにあるフィルタリング機能と異なり、メールボックスへの配信前に実行するので、ドメインや組織全体のポリシーに沿った一括フィルタリングができる。また、SendMail以外のメールサーバーやグループウェアなどと組み合わせて利用できる。
Intelligent Inboxの特徴はフィルタリングをシステム管理者、ドメイン管理者、そして各クライアントがそれぞれ詳細なフィルタリング条件をWebブラウザから設定できることだ。設定条件は送信者(From)、あて先(To/Cc/Bcc)、件名(Subject)、日付(Date)などすべてのヘッダー情報、サイズ、本文から条件によって、指定フォルダへの保存、携帯電話などの指定アドレスへの転送や通知、不在時応答や受信拒否などの自動返信、そして自動削除などさまざまなアクションが設定できる。
小島氏は「Webベースで条件をカスタマイズできるので簡単にフレキシブルな設定が可能だ。また、夜間など一定期間の転送禁止など時間処理のサポートできるなどスクリプト処理では不可能だった設定が行える」と優位性をアピールした。
■ URL
センドメール株式会社
http://www.sendmail.com/jp/
( 朝夷 剛士 )
2003/12/09 17:02
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