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JPCERT/CC、Nachi/Welchiaワームの活動減少を観測
警察庁でもICMPパケットの減少を確認
インターネット定点観測システムでの2003年12月31日から2004年1月6日までの観測結果
有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンター(以下、JPCERT/CC)は1月7日、インターネット定点観測システム(ISDAS)での2003年12月31日から2004年1月6日までの観測結果を公表した。Nachi/Welchiaワームが活動を停止するとされた1月1日以降、ICMPとTCPポート135へのスキャン減少が観測されている。
Nachi/Welchiaは、Blasterワームと同様にWindowsの脆弱性「MS03-026」を悪用するワーム。Blasterワームの駆除とともに脆弱点の修正プログラムを実行(日本語環境では無効)する。PING_ICMPとTCPポート135を通じて感染を拡大するため、ISDASの稼動開始以来、これらへのスキャンは上位のアクセス数を占めていた。
JPCERT/CCでは今回の観測結果から、Nachi/Welchiaワームの感染活動は減少していると推測しているが、同じ脆弱性を使った新たなワームの可能性を指摘し、引き続き注意を促している。
一方警察庁では1月6日に、セキュリティポータル「@police」で年末年始におけるワームの活動状況を公表した。この報告は全国の警察施設に設置されたファイアウォールやIDSのログ情報を分析したもの。ICMPが減少し、Nachi/Welchiaの活動は減少したとする点では共通している。ただTCPポート135へのスキャンは微増したと報告されており、警察庁ではこれをBlasterワームの活動によるものとしている。
Nachi/Welchiaワームの感染活動では、最初にICMPへのアクセスを行って到達性を確認し、無応答であればTCPポート135へのアクセスを行わない。このため今回のTCPポート135へのスキャン測定結果の違いについてJPCERT/CCでは、「観測センサーの挙動の違いによるものだろう」と述べている。
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URL
有限責任中間法人JPCERTコーディネーションセンター
http://www.jpcert.or.jp/
インターネット定点観測システム
http://www.jpcert.or.jp/isdas/
年末年始におけるワームの活動状況について
http://www.cyberpolice.go.jp/important/20040106_140933.html
Windowsの脆弱性「MS03-026」
http://support.microsoft.com/default.aspx?scid=kb;ja;823980
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( 岩崎 宰守 )
2004/01/07 12:23
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