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Trend Micro GateLock Remote Appliance 5000
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トレンドマイクロのマーケティング本部 本部長、糸賀 誠氏
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提供が予定されている、一括管理用のコンソールツール
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トレンドマイクロ株式会社は1月15日、統合セキュリティアプライアンス「Trend Micro GateLock Remote Appliance 3000」(GateLock 3000)、「同5000」(GateLock 5000)を、2月16日から販売開始すると発表した。
GateLock 3000/5000は、ファイアウォール、ウイルス対策などを1台でまかなうゲートウェイアプライアンス。セキュリティ機能は、一般的なステートフルインスペクションのファイアウォール機能のほか、GateLock 5000ではアプリケーションレベルでの不正アクセスを防止するディープインスペクションファイアウォール機能を搭載。ウイルス対策としては、SMTP、POP3(添付ファイル含む)、HTTP、Webメールのチェックを行う。またVPN機能も備えており、それぞれ最大VPNスループット(3DES使用時)は10Mbps/20Mbps、VPNトンネルは1トンネル/10トンネルまでサポートする。
こうしたスペックを持つ同製品だが、最大利用可能ユーザー数は、Gatelock 3000では5ユーザー、同5000では10ユーザーと、比較的小規模の環境が対象となる。同社がターゲットとして具体的にあげたのは、企業のブランチオフィスやSOHOだ。トレンドマイクロ株式会社のマーケティング本部 本部長、糸賀 誠氏によれば「企業では、本社にはITのきちんとした担当者がいても、支社やリモートオフィス、それからSOHOのような小さな企業には担当者が不在のケースが多い。こうしたところもカバーするにはどうしたらいいかを考えた結果、中央から一括管理が可能な、オールインワンのセキュリティソリューションを提供すればいいという結論になった」という。
そこでこのGateLock 3000/5000には、管理コンソールソフト(2004年第1四半期の発売予定の同社のクライアント/サーバー用ウイルス対策ソフトにバンドル予定)と連携する機能が備えられており、本社側などから一括して管理、運用することが可能になっている。トレンドマイクロでは、この管理機能と、GateLock 3000/5000が備えるVPN機能を用いて専用線を安価なインターネットVPNに置き換えることで、企業のTCO削減を支援する考えだ。
またSOHO向けには、SIやMSP(マネージドサービスプロバイダ)から同製品を使用したセキュリティサービスの提供を行う予定もあるという。こうしたサービスでは、複雑な管理はすべて管理コンソールからサービス提供者が行うため、ユーザーは専門的な知識を持たなくても、また特に意識をしなくとも、セキュリティが確保された環境を入手できるようになるのがメリットとのこと。
GateLock 3000/5000の価格は、それぞれ92,000円、148,000円(ともに1年間のサポートサービス料金を含む)。2年目以降もサポートサービス継続を希望する場合は、26,400円/年、57,600円/年の契約更新料が必要となる。トレンドマイクロでは、1年間で両製品合計8,000本の販売を目標としている。
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GateLock 3000/5000の利用例1。企業の本社と支社をVPNで結びつつ、セキュリティは一括する
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利用例その2。MSPなどからサービスとしてSOHOへ提供される形態だ
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■ GateLock 3000/5000はNetScreenとのアライアンスの“成果”
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NetScreenのCEO、Robert Thomas氏
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実はこのGateLock 3000/5000、NetScreen Technologies(以下、NetScreen)からすでに販売されている「NetScreen 5GT」をベースにしたもの。NetScreen 5GTに関しては、すでにトレンドマイクロのウイルス対策機能の付加が発表されている。
この背景には、トレンドマイクロはウイルス対策分野、NetScreenはファイアウォール/VPN分野と、それぞれ異なる分野を得意としているため、両社は相互に補完しあうことで、今まで到達できていない市場を新規に開拓していくという狙いがある。今回の発表の場に同席したNetScreenのCEO、Robert Thomas氏は「NetScreenの1番の強みは、必ず“クラス最高”のものを提供してきたこと。今回のアライアンスもその一環だ。今までのコンピュータセキュリティ製品とはまったく異なるものを提供する」と期待を語った。
なおNetScreenは先ごろ、SSL VPN製品の大手であるNeoterisを買収している。となればこれらの製品にもSSL VPN機能が付加されるかどうかが気になるところだが、「当社ではお客様のリサーチをした結果、SSL VPNの機能に関しては、こういったセキュリティアプライアンスに機能を統合して欲しいという声をあまり聞かなかった。もちろん管理に関しては同一のプラットフォームで行えるようにするけれども、ハードウェアの統合に関しては、少なくともここしばらくは行わない」(Thomas氏)とのこと。
■ URL
トレンドマイクロ株式会社
http://www.trendmicro.co.jp/
プレスリリース
http://www.trendmicro.com/jp/about/news/pr/archive/2004/news040115.htm
NetScreen Technologies, Inc.(英語)
http://www.netscreen.com/
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・ 米NetScreen、セキュリティアプライアンスにアンチウイルス機能を追加(2003/11/13)
( 石井 一志 )
2004/01/15 18:20
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