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米NetScreen、SSL VPN製品の管理機能を強化


NetScreen Secure Accessシリーズ導入のイメージ
 米NetScreen Technologies Inc.(以下、NetScreen)は2月10日、同社のSSL VPNアプライアンス「NetScreen Secure Access」シリーズで用いる基本プラットフォーム「Instat Virtual Extranet(IVE)」の新バージョン「IVE 4.0」を発表した。また同時に、IVE 4.0上で動作する新たな管理ツール「NetScreen-SA Central Manager」も発表された。ともに2月16日より提供開始となるが、保守契約を結んでいる既存ユーザーには無償で提供されるという。

 IVE 4.0で可能になったのは、まず動的なアクセス管理だ。これはユーザーID、ユーザーのロケーション、使用デバイス、属するグループ、セキュリティレベルなどに基づいたポリシーによって、ユーザーのアクセス権限を動的に管理できる仕組み。この機能により、例えば社内からであれば全機能を利用することができるユーザーであっても、インターネットカフェからのアクセス時にはメールのみの利用に制限してしまうことができる。

 また、複数のホスト名やURLをサポートし、それぞれが独自のサインインページを持つことが可能。これにより、エクストラネットなどでパートナーにネットワークを公開する場合でも、社員とは別のサインインページを利用させることができる。

 さらに、アドミニストレータ権限の分散、委譲もサポートされた。1つの組織の中にアドミニストレータのグループを複数設け、それぞれに異なるメンテナンスを担当させることも可能となった。

 NetScreen-SA Central Managerでは、中央での一元管理機能を新たに提供する。この管理ツールでは、各アプライアンスのソフトウェアアップグレード、コンフィグのバックアップなどを実施できるほか、アプライアンスの追加なども容易に行えるとのこと。

 なお、今回のIVE 4.0プラットフォームから、Secure Accessの製品体系が2つに分離し、従来のIVE 3.3とほぼ同等のIVE 4.0 Baselineと、新機能が追加されたIVE 4.0 Advancedとして提供されるという。小規模企業向けのSecure Access 1010(50同時アクセス版)の場合、IVE 4.0 Baseline版の価格は3.3から据え置きの199万円だが、従来はオプションで提供されていたSecure Terminal Access ClientやSecure Email Clientといった製品が付属するようになる。同製品のIVE 4.0 Advanced版の価格は、299万円から。


NetScreenは「常にベストソリューションを提供する」

アジア太平洋地域 マーケティング シニア・ディレクター、ポール・セラノ氏
 今回バージョンアップしたIVEプラットフォームだが、これはもともとは米Neoterisの製品で、2003年にNetScreenにより買収されたことで、同社のラインアップに加わったものだ。これに関してNetScreenのアジア太平洋地域 マーケティング シニア・ディレクター、ポール・セラノ氏は「Neoterisを買収したのは、同社がSSL VPNのリーディング企業であるから。当社では今までベストブリードの製品を提供してきたし、これからもそれは同じだ。SSL VPN製品のハードウェアはファイアウォールなどの当社製品とは別に提供するが、管理レベルでの統合を果たすことで、ユーザーのTCO削減に貢献する」と、同社の戦略を語った。



URL
  米NetScreen Technologies Inc.
  http://www.netscreen.com/
  プレスリリース(英文)
  http://www.netscreen.com/company/news_room/new_releases/pr_20040209_532.jsp

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  ・ 米NetScreen、SSL VPNの大手Neoterisを買収(2003/10/08)
  ・ 米Neoteris、日本法人の設立を発表(2003/09/30)


( 石井 一志 )
2004/02/10 16:47

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