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ウォッチガード、ソフトウェア適用だけでアップグレード可能なファイアウォールを発表


Firebox Xシリーズ
 米WatchGuard Technologies(以下、ウォッチガード)は2月12日、中小企業向けのセキュリティアプライアンス「Firebox Xシリーズ」を発表した。出荷は2月9日よりすでに開始されている。

 Firebox Xシリーズは、オールインワンのセキュリティBOXを目指した、統合型アプライアンスサーバー。一般的なステートフルインスペクション型ファイアウォールのほか、アプリケーションを保護する「アプリケーションプロキシ」や、サイト間VPN(IPSec)、リモートアクセスVPN(IPSec、PPTP)などの機能を備えており、オプションでWebフィルタリング、スパム対策の機能を追加可能だ。

 また、現状でも同製品は1つの機器で複数の機能をサポートしているが、今後はさらにIDS、ゲートウェイウイルス対策、SSL VPNなどの各機能を盛り込む予定。こうしたさまざまな機能を1つのハードウェアで提供する背景には、「中小企業では、IT予算の削減や専門知識のある人員の不足などで、いくつもの機器を購入したり運用したりすることが難しい」(同社のネットワークセキュリティ担当上級副社長、マーク・W・スティーブンス氏)ことがあるという。


必要な機能のみを購入できる、Firebox Xシリーズ

ネットワークセキュリティ担当上級副社長、マーク・W・スティーブンス氏
 製品には、スループット、対応できる同時セッション数の違いなどで4モデルが用意されているが、Firebox Xシリーズでは全モデルで同じハードウェアを使用することが特長といえる。ファイアウォール/VPNのスループットがそれぞれ100M/20Mbpsのエントリークラス「X500」であっても、275M/100Mbpsの上位モデル「X2550」と同じハードウェアを使用しているのだ。下位モデルに関しては、ソフトウェアでパフォーマンスを制限しているためため、「ハードを買い換えなくとも、ソフトウェアキーで制限を解除すれば、迅速にアップグレードが行える」(スティーブンス氏)メリットをユーザーに提供できるという。

 加えて、Firebox Xシリーズの筐体には10/100Baseのネットワークインターフェイスが6つ搭載されているが、こちらも最初の段階では3つのみ使用できるようソフトウェアによって制限されており、残りはネットワークの規模に応じて拡張する。

 ウォッチガードでは、これらのポートの拡張も、前述したWebフィルタリングなどの機能追加も、すべてソフトウェアの書き換えのみで行えるようにXシリーズを設計している。スティーブンス氏はこの点について「多くのベンダでは、(パフォーマンス不足などの際に)上位製品への“置き換え”を勧める。その結果、ユーザーは必要のない機能まで購入することになってしまい、必要以上のコストがかかるケースが多い。しかし、当社製品では同一のハードウェアを使用しており、拡張はソフトウェアによって、しかも機能ごとに提供されるため、適切な購入が可能だ」と述べ、同製品の優位性を強調していた。

 なお、今後一部の機能はメモリ不足などのためにソフトウェアの書き換え、追加のみで提供しきれない可能性も出てくるが、将来的な拡張性を確保するために、同製品の内部にはHDDを装着するスペースをあらかじめ用意している。

 Firebox Xシリーズの価格はX500で479,000円から。このほか、故障時には代替機を先行して提供するハードウェア保守、日本語のメールによるセキュリティ情報提供などを行う「LiveSecurityサービス」が100,000円/年程度で提供される。



URL
  米WatchGuard Technologies(英語)
  http://www.watchguard.com/
  ウォッチガード・テクノロジーズ株式会社
  http://www.watchguard.co.jp/
  Firebox Xシリーズ
  http://www.watchguard.co.jp/products/fb_x.html


( 石井 一志 )
2004/02/12 17:20

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