株式会社シマンテックは2月12日、国内のインターネットユーザーを対象に実施したスパム(迷惑)メール実態調査結果の概要を発表した。
この調査は、まず約4,000人のサンプルユーザーに予備調査を行い、そこでスパムメールを受信した経験のあると答えたユーザー1,200人を対象に本調査を行ったもの。
まず予備調査の結果において全体の83.2%のユーザーが、1日に1通以上のスパムメールを受信していることが明らかになった。調査を行った株式会社インフォプラント カスタマーサポートグループマーケティングリサーチャーの松澤治光氏が「異常な数字」と述べるように、メールを利用しているユーザーの大部分がスパムメールによる被害を受けていることになる。その内訳では20代の男性が92.7%と最も多く、逆に最も少ない50代以上の女性でも75.9%のユーザーが毎日スパムメールを受信している。さらに受信するスパムメールの量について約半数が「ここ1年で増えている」と回答している。
メールを利用する環境別に見ると、会社よりも自宅で利用しているメールの方がスパムを受信する量が多いという結果になった。この理由については、会社で利用するメールアドレスがWebサイトなどで公開される機会が比較的少ないことからと推測できる。
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スパムメールの受信状況
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スパムメールの増減傾向
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スパムメールの受信件数
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執行役員 副社長 コンシューマ事業統括 斎藤秀明氏
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スパムメールを受信したとき、ユーザーはどのような対応をとっているのだろうか。調査結果では約半数が「何もしない」と回答しているほか、およそ2割が「メールに書かれたアドレスやURLにアクセス拒否の旨を使えている」という。これについて執行役員 副社長 コンシューマ事業統括の斎藤 秀明氏は「拒否の旨を伝えてしまうと、メールアドレスが利用されていることをスパム業者に伝えてしまうので、逆にスパムメールの量が増えてしまう恐れがある」と警告する。
同社では2003年よりスパムメールと判断されたメールを自動的にフィルタリングするクライアントソフト「Norton AntiSpam 2004」を発売しており、ウイルス対策やパーソナルファイアウォールなどを含めた総合セキュリティ対策ソフト「Norton Internet Security 2004」にも実装されている。
AntiSpam 2004は、送信元のメールアドレスやメール内にある言葉からスパムメールかどうかを判断し、フィルタリングする。判断基準はLiveUpdateにより更新されるほか、利用者によるカスタマイズも可能だ。
また同社のWebサイトには、スパムメールの見分け方や対処法を公開し、どういった行為によってメールアドレスがスパム業者に流れてしまうのか、スパムを受け取らないようにするには何に気を付ければいいか、スパムメールの見分け方などを公開している。
同社のスパムメール対策について斎藤氏は「受信するユーザーによってスパムであるかどうかを判断する基準は異なることから、現状はクライアントレベルの対策の方がいい」としながらも「今後、クライアントに到達する以前の段階で遮断する方法を提供することもある」と述べ、アプライアンスなどクライアントソフト以外の対策製品の発売を検討していることを示唆した。
■ URL
株式会社シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
Norton AntiSpam 2004 製品情報
http://www.symantec.com/region/jp/products/nas/index.html
スパム対策ページ「スパムウォッチ」
http://www.symantec.com/region/jp/spamwatch/
( 朝夷 剛士 )
2004/02/12 19:38
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