トレンドマイクロ株式会社は、企業向けのアンチウイルスソリューションの新フェーズ「Enterprise Protection Strategy 3」として、「脆弱性診断サービス」、「大規模感染予防サービス」、「ウイルス感染復旧サービス」と、管理ソフトウェア「Trend Micro Control Manager 3.0 エンタープライズ」を3月22日より発売、24日より出荷する。またこれらと連動するアプライアンス「Network VirusWall 1200」を4月30日より販売、5月上旬より出荷する。
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トレンドマイクロ株式会社 執行役員 日本代表 大三川 彰彦氏
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同社執行役員 日本代表の大三川 彰彦氏は、「企業でのウイルス感染は、生産性低下の問題ばかりでなく、ネットワークのグローバル化によりビジネス機会の損失にもつながりかねない」と述べた。Enterprise Protection Strategy 3については、「セキュリティホールをついて感染してくるネットワーク型ウイルスによる感染スピードの高速化に対し、大規模感染を予防するとともに、いかに最小限に食い止めるか、そして万が一感染しても、いかに効率よく復旧できるか。こうした問題を解決し、持ち込みPCやリモート接続に対しても統合的に管理できるソリューション」と述べた。
そして同社の製品について、「他のセキュリティベンダーと違うのは、アンチウイルスにフォーカスしている点」とし、「パートナーのサービスと組み合わせてニーズに応じたソリューションを提供したい」と述べた。
■ アンチウイルス関連の3サービスと集中管理ソフトウェア
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トレンドマイクロ株式会社 プロダクトマネージャ 小林 伸二氏
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スタンダード版とエンタープライズ版により2階層での一元管理が可能
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Trend Micro Control Manager 3.0は、脆弱性診断サービス、大規模感染予防サービス、ウイルス感染復旧サービスの3つのサービス適用状況をWebブラウザから集中管理することが可能なソフトウェア。プロダクトマネージャの小林 伸二氏は「対応製品に同梱される複数のスタンダード版に対して、その上の階層からエンタープライズ版による一括して管理できる」と述べ、「例えば遠隔地の支店や営業所に対して本社から集中管理が行えるので、全社的なセキュリティレベルの統一化とコスト削減が可能」とした。
脆弱性診断サービスは、TrendLabから24時間体制で提供される情報を元に、ネットワーク内のコンピュータに対してマイクロソフト製品の脆弱性の状況をエージェントレスでチェックするもの。各脆弱性のリスクについては、利用するウイルスとともに表示が行える。
またVirusWall 1200を組み合わせることで、マイクロソフト製品の脆弱性修正プログラムの適用状況や、アンチウイルスソフトウェアのインストール状況やパターンファイルの適用状況を監視し、セキュリティポリシーの反するクライアントのネットワーク接続を遮断することも可能だ。
大規模感染予防サービスでは、パターンファイル配信前に、新たなウイルスの挙動が判明した時点でTrendLabからXML形式で予防ポリシーとして配布される情報を元に、指定ファイルや指定ポートをブロックするよう、アンチウイルスソフトウェアの設定を変更することで、大規模感染を予防するもの。VirusWall 1200により、感染拡大を防ぐためネットワークセグメントごとに遮断し、隔離することも可能となる。
小林氏は、MyDoomの時の対応では、「朝の6時47分にウイルスとして認知されてから31分後には、Taskmon.exeやDLLファイルへの書き込みをブロックする予防ポリシーを配信した。パターンファイルの配信はさらに32分後になった」としている。
ウイルス感染復旧サービスは、不正ファイルの削除だけでなくレジストリの復旧など、従来行われていないシステムファイルの修復までを行うサービス。他社のアンチウイルスを使用していたり、何も対策がされていないコンピュータに対しても適用が可能だ。
いままでは「システム全体の復旧では、感染拡大の速度が速すぎて、一台一台を復旧させてLANケーブルを取り外すといったいわば原始的な対応をせざるを得ない面があり、人的なコストも大きかった」と述べた。そして「感染からの復旧は管理コンソールからリスト表示されるクライアントに対して一斉に適用できる」と述べた。
Trend Micro Control Manager 3.0エンタープライズ版は、大規模感染予防サービスとセットで提供され、価格は5アカウント6,950円から。動作OSはWindows NT 4.0/2000 Server/2003 Server。脆弱性診断サービスは5アカウント50,550円から、ウイルス感染復旧サービスは、5アカウント5,850円となっている。
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ウイルス感染復旧サービスでは、遠隔地のPC復旧も可能だ
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脆弱性診断サービスはスケジュールでの運用が可能だ
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■ ポリシーに沿わないPCをネットワークから遮断するアプライアンス
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トレンドマイクロ株式会社 プロダクトマネージャ 中村 晃氏
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Network VirusWall 1200は、3つのサービスと連動して動作する1Uラックマウントサイズのアプライアンス。同社プロダクトマネージャの中村 晃氏は、「レイヤー3のコアスイッチとレイヤー2スイッチの間に配置し、アプリケーションレベルではなくネットワークレベルで通過パケットを監視してブロックする」と述べた。このため「予兆の段階で何らかのアクションを起こせる」ことが最大のメリットとなる。
ハードウェアとTrend Micro Control Manager 3.0、3つのサービス、監視対象250のライセンスで価格は2,024,000円となる。同社では今後1年間で2,000台の販売を目標としている
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Trend Micro Network VirusWall 1200
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VirusWall 1200を用い、アンチウイルスソフトウェアの入っていないクライアントと、ウイルス感染クライアントの接続デモが行われた
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ポリシーに合わない環境のクライアントはネットワーク接続が遮断される
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特定ポートに一定量を超えるパケットを検出、クライアントの接続を遮断する例
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■ URL
トレンドマイクロ株式会社
http://www.trendmicro.co.jp/
ニュースリリース(Trend Micro Enterprise Protection Strategy 3)
http://www.trendmicro.com/jp/about/news/pr/archive/2004/news040216-1.htm
ニュースリリース(Trend Micro Control Manager 3.0)
http://www.trendmicro.com/jp/about/news/pr/archive/2004/news040216-2.htm
ニュースリリース(Trend Micro Network VirusWall 1200)
http://www.trendmicro.com/jp/about/news/pr/archive/2004/news040216-3.htm
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( 岩崎 宰守 )
2004/02/16 18:46
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