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DNP、ファイルを分割・暗号化して保存するストレージシステムを開発


 大日本印刷株式会社(以下、DNP)は3月2日、システムダウンや災害発生時でもデータの復旧が可能なストレージシステム「TranC'ertDNA」を開発、10月より販売を開始すると発表した。

 TranC'ertDNAは1つのファイルを複数に分割し、それぞれ異なる鍵で暗号化し、データが重複しないよう二重化して異なる3つのデータセンターに保存する。3つのデータセンターのうち1つがダウンしても残りの2つに保存されているデータから復旧が可能。

 データ分割は1ファイル全体を区切るのではなく、ファイルの先頭から細分化して複数ファイルに再構成する方式をとる。ファイルが異なるデータセンターに分割して保存されるため、どれか1つが流出した場合でも再構築される心配がない。

 なおTranC'ertDNAの運用にはファイルの分割、暗号化、IDCへの分散保存などを行うWindows用の専用ソフトウェアが必要となる。さらに利用者は個別のICカードが必要で、カードの内部メモリに格納されたファイル分割条件、暗号鍵などのパターンに基づいて処理が行われる。分割条件、暗号鍵の情報は許可された共有者のICカードに移動させて共有することにより、利用者同士のファイルの共有や交換をすることができる。

 TranC'ertDNAは「イントラネット運用モデル」と「IDC利用モデル」の二形態で販売される。イントラネット運用モデルはクライアント10ライセンスとサーバーライセンス一式を含んで約660万円。IDC利用モデルはクライアント10ライセンスとサーバーライセンス一式を含んで約180万円となる予定で、このほかにIDCサービスへの保管料が必要となる。

 同社は一般企業、IDC運営企業、ISPなどを対象に今後2年間で4億円の売上を見込む。



URL
  大日本印刷株式会社
  http://www.dnp.co.jp/
  ニュースリリース
  http://www.dnp.co.jp/jis/news/2004/040302.html


( 朝夷 剛士 )
2004/03/02 19:27

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