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ノベル、システム間連携が可能なID認証管理ソリューションの最新版を発売


 ノベル株式会社は、ID認証管理ソリューション「Novell Nsure」を構成する4つの製品を3月30日より国内販売する。価格はオープンで、同社の大規模ライセンスプログラムに基づいた販売となる。同社では今後1年間で約20億円の販売を目標としている。


ノベル株式会社 代表取締役社長 吉田 仁志氏
 今回発売されるのは、メタディレクトリ製品「DirXML」の後継製品となる「Novell Identity Manager 2.0」、初の国内販売となるセキュリティ監査製品「Novell Nsure Audit 1.0.1」、ディレクトリ製品の最新版「Novell eDirectory 8.7.3」、SSO製品の最新版「Novell SecureLogin 3.5.1」。

 同社代表取締役社長の吉田 仁志氏は「ID認証管理のソリューションでは他システムとの連携がキーになる」と述べ、Nsureについて、「メジャーなアプリケーションをほぼすべてカバーし、複数システム間でユーザーIDデータベースをリアルタイムで連携するもの」と語った。

 そして「ことセキュリティに関しては、製品だけでは意味を持たない」とし、「業務プロセスからあるべきセキュリティポリシーを策定、この要求に合わせ、製品とコンサルティングを含めたカスタマイズを提供できる企業は、世界を見てもノベル1社しかないだろう」と述べた。


ノベル株式会社 マーケティング本部長 伊藤 由規氏
 同社マーケティング本部長の伊藤 由規氏は、企業のニーズとして、異機種混在環境への対応、無線LANなどの技術を含めた複雑なプロセスの管理、既存インフラの再利用を含めた有効活用を挙げ、「IT導入で要求される短期間、低コスト、スキルレス、業界標準の4つを柱に、データフォーマットやOS、デバイスの障壁を取り除いて、Webブラウザから欲しい情報へアクセスできる環境を、Webサービスにより提供する」と同社の掲げる“one Net”の基本コンセプトを語った。

 続いて、2004年度の企業におけるIT投資予測では、ネットワークセキュリティへの投資が53%と前年に比べて大きく伸びているとの調査結果を示し、「セキュリティレベルを上げようとすればコストがかかるものだが、Nsureでは高いセキュリティを確保したままコストを抑える」とした。これにより同社では、これまでの製品がカバーしていた300ユーザー以上の中規模企業、1000ユーザー以上の大規模企業に加え、100~300ユーザーの小規模企業に対しても製品を提供していきたい考えだ。


今回発表の「Nsure」、Webサービス「exteNd」、ネットワークサービス「Nterprise」、コンサル・サポートサービス「Ngage」で構成される「one Net」ソリューション Nsure4製品でのユーザーアカウント統合により、すべての社内アプリケーションで同じ認証基盤を利用することになる ユーザー情報は、ひとつのシステムでの変更・更新がリアルタイムに他システムへ反映される

ノベル株式会社 マーケティング本部 プロダクトプランニンググループ 飯田 敏樹氏
 Nsureは、「共通の基盤ひとつでITインフラすべての認証が行える」もので、同社では高いセキュリティレベルを保ったまま、ユーザーの利便性を向上するとしている。管理・運用面で、これまでのDirXMLでユーザーのアカウント管理に必要だったXMLのスキルが不要になり、Webベースでの設定が可能になった点が特徴だ。

 Identity Manager 2.0は、各種OSやアプリケーションのユーザー管理データベースの同期を自動的に行うことで、ユーザー管理を統合する製品。連携するシステムでは、同一のパスワードでのアクセスが可能になる。同社マーケティング本部 プロダクトプランニンググループの飯田 敏樹氏は、パスワード管理機能について、「離職、配置転換で業務から離れた人間の未使用IDの削除忘れや放置、共有IDの使いまわしを防げる」とした。

 今回のバージョンでは、パスワード忘れの際に管理者へ問い合わせることなく、ユーザー自身でパスワードのリセットも可能になったほか、機密情報を含む特定システムへのアクセスでのみ毎回認証を要する機能追加も行われている。

 セキュリティ監査製品である「Audit 1.0.1」では、システムやアプリケーションでのセキュリティに関するイベントログを収集し、フィルタをかけることで、リアルタイムの監視、重要な情報の通知、レポートの作成が可能だ。ログの改ざんを防ぐため、電子証明書で署名の上送信もできる。SDKも提供されており、自社アプリケーションでの対応も可能だ。

 ディレクトリサービスを提供するeDirectory 8.7.3では、新たにWindows Server 2003とHP-UXをサポートしたほか、「バイオメトリクスなどのデバイス認証とパスワード認証を組み合わせるような、従来はNovell Modular Authentication Service(NMAS)として提供していた多要素認証の機能を取り込んだ」という。

 Windowsアプリケーションにおけるシングルサインオン機能を提供するSecureLogin 3.5.1では、対象アプリケーションとしてJavaアプリケーション、Javaアプレットが追加され、新たにWindows Server 2003でのActive Directoryに対応した。

 同氏が目安として示した各製品の市場推定価格は、Identity Manager 2.0が1400円/ユーザー、eDirectory 8.7.3が240円/ユーザー、SecureLogin 3.5.1が15,000円/ユーザー、Audit 1.0.1が1,400,000円/サーバーとのこと。



URL
  ノベル株式会社
  http://www.novell.co.jp/
  プレスリリース
  http://www.novell.co.jp/pressrel/20040318_1.html


( 岩崎 宰守 )
2004/03/18 17:44

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