株式会社シマンテックは、企業のクライアントPC向け統合セキュリティ対策ソフトの最新版「Symantec Client Security 2.0(以下、SCS 2.0)」を、6月4日より順次発売する。
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リージョナルプロダクトマーケティングマネージャ 吉田一貫氏
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SCS 2.0は、ファイアウォール・侵入検知・ウイルス対策などの機能を備えるクライアントPC向け統合セキュリティ対策ソフト。同社ではコンシューマ向けに「Symantec Internet Security 2004」を発売しているが、「SCS 2.0は、Internet Security 2004をベースとした企業向け製品」(リージョナルプロダクトマーケティングマネージャ 吉田一貫氏)という位置づけとなる。
SCS 2.0の大きな特徴は、各クライアントPCのセキュリティポリシーを管理者側で一元管理できること。Internet Securityではソフトのインストールやウイルス定義ファイルの更新、セキュリティレベルの設定などを最終的に各PCの所有者に任せることになり「そこからセキュリティホールが生まれる可能性がある」(吉田氏)が、SCS 2.0では管理者側で設定したセキュリティポリシーを勝手に変更できないようにしたり、強制的に定義ファイルの更新を行うことができる。
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どのネットワークに接続されているかを判別し設定を自動的に変更できる
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さらにウイルス・ワームの社内感染の大きな原因とされているモバイルPC向けに、クライアントPCが会社や家、さらに無線LANを使用しているかなど、どのネットワークに接続されているかを判別し、それぞれの場所向けのセキュリティポリシーに自動的に切り替えることができる。「例えばファイル交換で開ける必要があるTCP 135ポートを会社では開け、家では閉じるといったことが可能」(吉田氏)。また、VPNで会社のネットワークに接続する直前に「ウイルス保護機能はオンになっているか」「定義ファイルは最新か」といったチェックを行い、条件を満たしていない場合に接続を遮断することもできる。
発表会では吉田氏が流行中のワーム「Sasser」を例にとり、Windowsの脆弱性およびワームの検知、Sasserが使用するTCP 445ポートをデフォルトの設定で閉じられることを挙げ、最新および未知のウイルス・ワームもブロックできることをアピールした。また、ワームによるFTPサーバーの起動やランダムのIPアドレスへのSMBパケット送信など不審な動作も検知し遮断できるという。
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ライセンス価格表
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製品はライセンス方式と店頭で購入できるビジネスパックが用意される。ライセンスでは新規のほか、旧バージョンからのアップグレードや他社製品からの乗り換え、同等製品からの切り替え(クロスグレード)価格がユーザー数別に用意され6月4日より販売開始。ビジネスパックは5ユーザーで76,000円、10ユーザーで148,000円、25ユーザーで335,000円で7月16日より販売開始。
なお、マイクロソフトから提供予定の「Windows XP Service Pack 2」への対応については「現在、マイクロソフトと協議中」(米Symantec プロダクトマーケティングディレクター ケビン・マーレー氏)とのこと。同氏は「SCS 2.0は無償の(SP2で提供される)セキュリティ・センター機能を上回る、企業で必要とされるセキュリティ対策機能を提供できる」と付け加えた。
■ URL
株式会社シマンテック
http://www.symantec.co.jp/
ニュースリリース
http://www.symantec.com/region/jp/news/year04/040511.html
( 朝夷 剛士 )
2004/05/11 18:07
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